既にお伝えしましたように、今月23日、グエン・タン・ズン首相はタイを訪問し、タイの首相とともに、両国の第3回合同閣議を共催します。今回のズン首相のタイ訪問は、政治や、安全保障、国防、経済、投資、労働などの分野における両国関係の強化に寄与するものとみられています。
訪問期間中、ズン首相は合同閣議のほか、タイ立法評議会議長や、タイの王女と会合します。また、両国企業との対話にも出席します。
経済協力
近年、ベトナムとタイとの多面的協力関係が迅速に発展しています。中でも、経済協力は両国関係を強化するための原動力と見られています。貿易関係に関して、2013年、両国間の商取引額は94億ドルに達し、2012年と比べ9・2%増加しました。そして、2014年、その金額は106億ドルに増加しました。こうした中、ベトナムとタイは2020年をめどに両国間の商取引額を200億ドルにするという目標を掲げています。投資関係に関しては、今年6月まで、タイはベトナムに68億ドルを投資し、ベトナムに投資している101ヶ国・地域の中、10位に立っています。一方、ベトナムはタイで、1135万ドル相当の7件の投資プロジェクトを行っています。タイのパニヤラク・プールトゥプベトナム大使は次のように語りました。
(テープ)
「タイの投資家は、ベトナムへの投資に関心を寄せています。昨年は、タイのベトナムのへの輸出と投資が急増しました。ベトナムは、労働力などの面で、多くのメリットがあり、タイ企業に多くの利益をもたらすからです。」
農業協力に関して両国は、多くの協力活動を行っています。これまで、ベトナムは、多くの代表団をタイに派遣し、農業発展や、農業生産協同組合の運営、鳥インフルエンザ対策、漁業などについて経験を交換しました。さらに、教育、文化、観光、国防、安全保障などの分野での協力も重要な成果を収めてきました。
ASEAN内の協力
ベトナムとタイはASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国同士で、ASEANの枠内でも関係の強化に力を入れてきました。ベトナムがASEAN加盟諸国の中で、タイの最初の戦略的パートナーとなっていることは、タイがベトナムとの関係を重要視していることを示すものといえます。これまで、両国は、ASEAN共同体構築や、メコン川流域諸国間の協力プログラム、東西経済回路開発などに積極的に貢献してきました。タイのパニヤラク・プールトゥプベトナム大使は次のように語りました。
(テープ)
「両国間の協力はASEAN共同体の構築、発展に寄与します。この目標の達成のために、両国を結ぶ陸路と水路の建設は必要です。これにより、ベトナム南部沿海の各地方とタイ東部の各地方との協力を促進するようになります。」
ベトナムとタイとの戦略的パートナーシップにおいて、両国の合同閣議は重要な役割を果たしています。今回の合同閣議で、両国の指導者らは、今後の協力強化策などを出す見通しです。これにより、両国間の戦略的パートナーシップは深化していくでしょう。