ベトナムのカトリック 新型コロナとの闘いに積極的参加
(VOVWORLD) - ベトナム司教評議会と全国の教区は宗教活動を自粛するとともに、聖職者と教徒に国の予防対策の徹底を求めています。
新型コロナウイルスの感染が全世界で広がっていることを受けて、ベトナムのカトリックの聖職者と教徒は政府の指導を受けて感染予防対策を徹底させています。ベトナム司教評議会と全国の教区は宗教活動を自粛するとともに、聖職者と教徒に国の予防対策の徹底を求めています。
ブオンマートート教区の教会 |
カトリック 全国民と新型コロナと闘う
政府が、「社会的距離確保」という措置を実施してから、全国の教区は、多くの教徒が集まる宗教活動を停止し、その代わりにインターネット上の宗教活動へシフトしています。
ホーチミン教区では、3月26日午後4時から、教徒が集まるすべての宗教活動が停止されることになりました。ホーチミン教区のグエン・ナン大司教は同教区の教徒に送られた手紙の中で、「これは全国民の闘いへの参加であり、自分自身を含む民族と人類の安全に対する責任ある行為でもある」と述べました。
一方、北部ナムディン省にあるブイチュ教区も教徒に手紙を送り、その中で、「ローマを含む全世界の教区は、教徒が集まるすべての宗教活動を停止している。ローマ法王の指導を受けて、ベトナムの全国民とともに、私たちと皆の命と健康を守る。」と明らかにしました。
ベトナム中部の3省にあるブオンマートート教区でも、3月27日、すべての宗教活動を停止するという通知が出されました。この通知は聖職者と教徒に対し、感染拡大を抑えるため、外出を控えるとともに、結婚式などを自粛し、葬式は小規模で行うよう訴えました。
中部ダクラク省宗教委員会のギェム・ヴァン・チュアン委員長によりますと、同省では、カトリックだけでなく、プロテスタントや仏教徒もすべての宗教活動を行わず、インターネット上の活動へシフトしているとしています。チュアン委員長は次のように語りました。
(テープ)
「党委員会は感染予防対策について各宗教の聖職者とよく相談しています。各宗教組織は所属する宗教施設に通知などを出し、すべての宗教活動の停止を求めるなど感染予防対策を精力的に進めています。特に、現在はカトリックとプロテスタントの復活祭が行われる時期ですが、インターネットでしか復活祭を行っていません。ダクラク省の各宗教は全国民の命と健康のために感染予防対策を徹底させていると言えるでしょう。」
コミュニティーのためのより責任感を高めろう
しかし、全国の教徒が宗教活動を停止して感染予防対策を徹底させているのに対し、中部ハティン省にある6つの小教区では、先週末、200人から500人の教徒が集まる宗教活動が行われました。これは一般人はもちろん、多くのカトリック教徒からも強く反発を受けています。ハティン省のカトリック教徒の考えをお聞きください。
(テープ)
「普段は午後3時に聖書を読んで、週末は教会に行きますが、政府が社会的距離の確保措置を出してから、教会に行ったり、多くの教徒が集まる活動に参加したりすることはしていません。これは、自分自身の安全のためでもあるので、他人から言われるまでもなく行かない方がいいと思います。」
「人が集まることや宗教活動に参加することを自粛しています。インターネット上での活動へシフトしています。復活祭が間もなく行われますが、教会に行かずに、インターネットで見ます。党と政府の措置は感染拡大を抑えて日常生活を早めに復活させるもので、いいと思います。」
復活祭を始めとする宗教活動の停止はカトリックの聖職者と教徒にとって難しい決定ですが、新型コロナウイルスの感染が全世界で広がっていることを前に、これは、コミュニティーのための責任ある決定です。