ベトナムの行政改革:憲法改正を軸とした法的基盤の構築
(VOVWORLD) - ベトナムでは現在、大規模な行政改革が進行中です。行政機構のスリム化と地方行政の二層構造への移行を中心とするこの改革は、憲法改正を通じて法的基盤を整えようとしています。
ベトナム民主共和国設立以来、ベトナムでは5つの憲法が制定されてきましたが、今回の改正は2013年の現行憲法制定から10年以上を経て行われる重要なものです。
ベトナム国会 |
来月5日に開会予定の第15期第9回国会では、例年より2週間早く会期が始まり、憲法改正が最優先議題として取り上げられます。先日の全国会議でチャン・タイン・マン国会議長は、省レベルの行政単位統合や県レベル組織の廃止など、この改革が国家発展の新たな局面を開くと強調しました。マン議長は今回の改正には主に二つの重点があると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「第一に、2013年憲法におけるベトナム祖国戦線と各政治・社会団体に関する規定を見直し、行政機構のスリム化を図るとともに、祖国戦線の役割と責任を強化します。これにより、各階層の国民を結集し、地域コミュニティを重視した『市民に寄り添い、各家庭に届く』活動の推進を目指します。第二に、地方行政の二層構造の実施に必要な法的枠組みを整備します」
マン議長によりますと、現行憲法120条のうち、修正されるのは約8条と限定的です。さらに、国民の意見を重視するため、来月6日から6月5日までの1か月間、国民からの意見聴取も実施される予定です。
憲法改正と並行して、地方行政組織法や選挙法など多くの関連法規も見直されます。政府報告によりますと、この組織再編の影響を受ける文書は1万9千件以上にも及ぶとのことです。チャン・タイン・マン国会議長は次のように語りました。
(テープ)
「本年4月14日の時点で、第9回国会会議では31の法案と12の決議案の審議・採決を行うほか、10の法案について協議する予定となっています。さらに、これらとは別に省レベルと村レベルの行政区画再編に関する決議案も会期中に審議・決定される見込みです。このような膨大な議案数は、これまでの国会の歴史の中で最大規模となります」
すべての改正作業は今年6月30日までに完了し、7月初旬から施行される予定です。ベトナムの行政機構改革は迅速かつ断固として進められており、2013年憲法の改正と法制度の整備は、この重要な変革を支える強固な法的基盤となるでしょう。