ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の招きに応え、アイルランドのマイケル・ヒギンズ大統領が5日から14日にかけてベトナム国賓訪問を行っています。アイルランド大統領が国賓としてベトナムを訪問するのは今回が初めてです。この訪問は両国の外交関係樹立20周年を記念するものであり、両国関係に新しいページを切り開く節目でもあります。
ハノイの国際空港に到着したアイルランドのヒギンズ大統領
20年の友好関係
ベトナムとアイルランドは1996年4月5日に外交関係を樹立しました。この20年間、両国関係は著しい発展を見せています。
その中で、近年、両国の貿易関係は急速に発展しています。両国の貿易総額は2015年に、4億ドルでしたが、2016年の9ヶ月だけで約2倍になっています。ベトナムのアイルランドへの主な輸出品目は木材、履物、繊維製品などです。現在、アイルランド企業がベトナムで展開している投資プロジェクトは17件で、その中で、エネルギー分野に集中しています。
現在、アイルランドは9カ国にODA政府開発援助を供与していますが、アジアではベトナムしかありません。アイルランドのODAは、ベトナムの貧困解消や民間経済セクターの発展、政府関連機関の能力向上などに効果的に充てられていると評されています。
2011年、アイルランドは2011~2015年期のベトナム・アイルランド開発協力国家戦略を発表しました。投資総額5500万ユーロのこの戦略は、ベトナムの2011~2015年期の経済社会発展計画の展開を支援するのが狙いでした。この戦略の結果に基づいて、アイルランドは2017~2020年期の同様の戦略を発表する予定です。
教育・養成分野においては、アイルランド政府の全額奨学金により、これまで185人のベトナム人がアイルランドで修士コースを受けました。現在、アイルランドに在留しているベトナム人は約4000人で、地元の社会に溶け込んでいると評されています。そして、両国は、戦争後の地雷・不発弾処分、枯葉剤による後遺症の克服、救難救助分野においても協力を促進させています。
新しいページを
さきごろ、 ベトナムはアイルランドに農業分野での協力を拡大するよう提案しています。その中で、近代的農業の管理職の育成、有機物による農業の発展経験の交換、安全な農産物管理システムの構築、牛の飼育といった4つのテーマが取り上げられました。
今回の訪問で、ヒギンズ大統領はベトナムの指導者らと会談・会見し、両国の協力関係をさらに発展させる措置について話し合うほか、両国関係をさらに発展させる政治的意思を再確認します。訪問を機に、両国は、教育養成分野における協力覚書や風力発電所建設プロジェクトに関する合意書に調印する予定です。今回の訪問は、両国関係に新しいページを切り開くことでしょう。