(VOVWORLD) - 先ごろ、HP energyvoice.comは、重要な金融市場データ・情報サービスを提供するイギリスの企業「IHS マークイット」の最新の調査結果を引用し、「世界各国の再生可能エネルギーの導入に関し、ベトナムはオーストラリアと日本に次いで、アジア・太平洋地域で3位に立っている」と伝えています。
再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことです。その大きな特徴は、「枯渇しない」、「どこにでも存在する」、「CO2を排出しない」の3点となっています。
近年、再生可能エネルギーはベトナムの持続可能な発展事業において重要な役割を果たしています。現在、ベトナムで建設中の再生可能エネルギー施設の数は、エネルギー施設の総数の46%を占めています。再生可能エネルギー開発・導入の促進を目指し、ベトナム政府は複数の政策を同時に実施しています。
これに関し、ベトナム持続可能なエネルギー連盟のコーディネーターとしての役割を果たすグリーンIDセンターのグィ・ティ・カインセンター長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「ベトナム政府は再生可能エネルギー開発・導入の促進に関する複数の政策をとっています。その中で、先ごろ出された党政治局の決議55号があります。この決議はベトナムのエネルギー開発戦略の今後の方向を定めるものです。決議は、再生可能エネルギーに関する国内の潜在力を活用することや、輸入される燃料への依存度を減らすこと、太陽光と風力発電の開発に集中することなどを目指し、エネルギー開発事業に突破口を切り開く政策を制定・実施することを求めています。また、国家のエネルギー安全保障を目指し、急速に枯渇している化石燃料の代わりに、再生可能エネルギー開発・導入・使用を強化していくことを重要な任務として定めています。」
風力発電に関し、中部沿海地帯や、高原地帯テイグエン地方、離島をはじめベトナム全国は大きなメリットがあると評されています。3200キロ以上の海岸線に恵まれていることや、東部海域における高さ65メートルでの年平均風速が6メートル毎秒(m/s)を超えていることなどはその証とされています。
太陽光発電に関し、これまで、ベトナムは多くのプロジェクトを成功裏に行ってきました。その中の100件はEVN=ベトナム電力グループと電力売買契約を締結しています。活動中の太陽光発電所の総出力はおよそ6000メガワットに達しています。再生可能エネルギー開発・導入のさらなる促進を目指し、ベトナムは国内の力を活用しながら国際協力も深化させています。
ベトナムは、2030年をめどに一次エネルギー総供給量における再生可能エネルギーの割合を15%ないし20%に、そして、2045年をめどに25%ないし30%に増やすという目標を掲げていますが、自然に恵まれる多大な潜在力や、正しい政策、企業の努力などにより、その目標が達成可能であると期待されています。