(VOVWORLD) -既にお伝えしましたように、ベトナムは54の民族が共存している国家です。総人口9千万人あまりの中で、少数民族と呼ばれる53の民族は1230万人を超え、人口の14.3%を占めています。
北部山岳地帯ハーザン省に住む少数民族の定期市場の一角 |
ベトナムの党と国家は、常に、少数民族の伝統的文化の保存、発揮政策をとると同時に、少数民族居住地における経済社会の発展、社会福祉の確保、貧困解消に配慮しています。
ハノイ市内にあるベトナム各民族文化観光村で開催中の「ベトナムの各民族文化デー」は、ベトナムの各民族の伝統的文化の保存、発揮が重視されていることを示す具体的な一例となっています。このイベントは、2010年以来、毎年行われています。
少数民族の伝統的文化価値を重視する政策
各少数民族の文学や芸術、言葉、文字、衣装、伝統的祭りなどの文化価値の保護、発揮を重視することは、社会主義への過渡期における国の建設のための綱領(2011年改正・補足)、「先進的かつ民族色豊かな文化の構築」に関する第8期ベトナム共産党中央委員会第5回総会決議、 「国の持続可能な発展事業の要求に応えるため、ベトナムの文化と人間開発」に関する第11期ベトナム共産党中央委員会第9回総会決議の中で強調されています。
また、2013年に制定された憲法の第42条は「市民は、自らの民族を確定し、母国語を使用し、コミュニケーション上の言語を選択する権利を有する。」と規定しています。一方、2005年の教育法の第7条は「国家は、少数民族が自らの民族の言葉、文字を勉強できるように条件を作り出す。」と明記しています。これらの規定は、各少数民族が自らの民族の言葉、文字を使用する権利を示すものです。
各少数民族の伝統的文化の保存と発展
これまでに、ベトナム政府は「ベトナムの各少数民族の文化の保存、発展」に関する2020年までの提案を広範に実現してきました。その中でも、人口が極めて少ない民族、または、自らの民族の文化を自分たちで守ることも、発展させることもできない民族の文化発展を集中的に行っています。そのお陰で、各少数民族の伝統的文化や、独特な儀礼、祭り、民謡、民舞、伝統衣装、民間遊戯などは復元されるようになっています。
少数民族居住地の各レベル行政当局は、各民族の文化の保存と発揮に有利な条件を作り出す一方、現地住民の精神の拠り所としての文化の改善に配慮しています。これまでに、9割以上の少数民族居住地はベトナムの声放送局の電波を受信し、8割以上の世帯がテレビ放送を受信しています。ラジオとテレビの番組はベトナム語と26の民族の言語で放送されています。
少数民族居住地における教育養成も促進され、多大な成果を収めています。2012年以来、全ての村が小学校教育を、多くの地方は中学校教育を普及させてきました。そして、少数民族出身子供の就学率は95%を超えています。
少数民族の文化発展の成果は、ベトナムにおける少数民族の権利をはじめとする人権の確保と推進を示す具体的な証となっています。