(VOVWORLD) - 4月18日は、旧暦3月10日にあたり、ベトナムの建国の祖である「フン王」を祀る日です。
この「フン王祭」は、ベトナム国内外の人々がフン王たちの偉業を記念し、同じ祖先を持つベトナム人としてのアイデンティティと団結心を新たにする機会となっています。フン王祭の精神は過去から現在に継承されており、国の発展に大きな役割を果たしてきました。
フン王を祀る信仰は、ベトナム人コミュニティに広く根付いた文化であり、国民の大団結の礎となっています。
すべてのベトナム人を結集
ベトナムの発祥の地とされる北部フート省に加え、ベトナム各地にフン王を祀る祠が数多く存在します。全国で1400カ所以上の関連遺跡があると推定されており、これらの祠はフン王を祀る様々な儀式が行われる場所です。
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「ダラット市民の一人として毎年家族でフン王祭に参列し、子供たちに伝統を学ばせるとともに、私たち自身もベトナム文化の継承に関わっています」
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「ブォンマトート市にあるラックザオ神社でのフン王祭は、多数民族であるキン族と少数民族を結びつける場でもあります。毎年この日には国民の安寧と健康を祈り、団結心を育みます」
このように、フン王を祭る信仰はベトナムの国境を越えて広がっており、約10年前から海外ベトナム人コミュニティでも「世界ベトナム祖国の日」が定期的に開催されるようになりました。この行事は世界中のベトナム人や国際的な友人を結び付け、文化の懸け橋となることを目指しています。
団結して国を築く
フン王祭は、「同胞」の意味をベトナム人一人一人が改めて理解する機会ともなっています。伝説によれば、ベトナム人は同じ百個の卵から生まれたと言われています。ベトナム人は場所を問わず、ひとつの大家族の一員なのです。
このように、共同体意識とベトナム民族の団結心を裏付けるものが、フン王祭の精神であり、これが国の建設、守護、革命闘争、そして改革実現の過程で戦略的に重要な意味を持っているのです。欧州ベトナム人協会会長のホアン・ディン・タン氏は次のように述べています。
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「フン王祭は、特に海外に住むベトナム人コミュニティにとって大変意義深い行事です。この行事を通じて、私たちが同じ祖先の子孫であることを思い起こし、団結し、互いに助け合い、良き民族の伝統を発揮することができるのです」
現在、ベトナムは国際統合を進め、大国と肩を並べるための好機をつかみながらも、多くの課題も抱えています。このとき、国内外に住むベトナム人の団結は不可欠の要素となります。ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、「団結こそが、民族の最も尊い伝統であり、民族の永続と発展の源泉なのである。ベトナム革命の戦略的指針であり、命運をかけた課題なのである」と強調しています。
このため、ベトナムは新たな段階での国民の大団結を実現するための方針や政策を磨き続け、社会の様々な階層の役割を生かし、全ベトナム人の可能性と創造力を呼び起こしていきます。全ての民族が対等に、互いに助け合い、内なる力を発揮して共に発展することができるようにするのです。党と国家は、宗教団体との良好な関係を重視し、適切な制度や政策を整備して国外在留ベトナム人の投資を促進します。また、2030年までの国民大団結戦略の実践を総括し、2045年に向けたビジョンを描いていきます。
同じ祖先の血を受け継ぐベトナム人一人一人が、この団結の伝統を引き継ぎ、平和で独立した統一国家ベトナムを、領土の一体性を守りながら、より豊かで文明的、そして幸福な国に発展させていくことができるのです。