(VOVWORLD) - 輸出を支える主要な産業である水産業はベトナムの先進的経済部門の一つです。特に、今年に入ってからは、水産物の輸出額が急増しており、新記録を更新する見込みです。
VASEPベトナム水産物加工輸出協会によりますと、今年初めの7か月間の水産物の輸出額は67億ドルに上り、前年同期と比べて35%増となっています。これにより、今年の輸出額は初めて100億ドルを超え、15%の成長率となる見込みです。水産物の中で、エビと「チャー」というナマズの輸出額は65億ドルに達する見込みで、主要な輸出品目であるとしています。
水産総局によりますと、水産物の輸出額が急増しているのは、世界市場のニーズが高まっていることと、ベトナムが水産業に大きな投資を行ったことによるものだとしています。2018年以降、水産業では近代的な技術の導入が顕著です。これにより、輸出許可証のある水産物加工施設は800カ所を超えており、その中で、約700カ所には基準が厳しいEU欧州市場への輸出許可証が発給されています。
また、関連当局が水産物の漁獲や養殖、加工に関する規定の完全履行に取り組んでいることは水産業のダイナミックな発展の基盤となっているとしています。水産総局のグエン・クアン・フン副総局長は次のように語りました。
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「近年、水産業は関連省庁や地方と緊密に連携し、水産物の漁獲・養殖、加工に力を入れています。これにより、水産業、特に、水産物の輸出額はダイナミックに成長しています」
しかし、ベトナム水産物加工輸出協会のグエン・ホアイ・ナム副理事長は、水産業は多くの試練に直面していると指摘し、中でも、質・量ともに水産物の養殖能力を高めることは差し迫った課題となっていると強調しました。現在、水産物の原料の7割は養殖に頼っているため、輸出の拡大につれて、養殖への投資を急がなければならないとしています。ナム副理事長は次のように語りました。
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「水産業のインフラへの投資は水産業のサプライチェーンの確保・強靭化に非常に重要です。また、水産物の漁獲に関するライセンスの発給も進める必要があると思います。そして、水産業に対する管理作業のデジタルトランスフォーメーションを促進しなければなりません」
水産業はベトナムの先進的経済部門の一つですが、国と社会の大きな投資により、今後も、新型コロナ収束後の経済回復開発に大きく貢献することが期待されています。