(VOVWORLD) - ベトナムと韓国の関係はかつてよりかなり良いですが、まだ最盛期にありません。これから、最盛期を迎えるはずです。
22日から24日にかけて、韓国のムン・ジェイン大統領は、ベトナム国賓訪問を行っています。ㇺン氏が韓国大統領としてベトナムを訪問するのは今回が初めてです。この訪問は、両国関係が良好に発展している背景の中で行われるもので、両国関係のさらなる発展に寄与してゆくと期待されています。
ベトナムと韓国は、1992年12月22日に外交関係を樹立しました。両国は2009年に両国関係を戦略的パートナーシップに格上げしたほか、2014年に、FTA自由貿易協定を締結しました。
良好に発展している関係
ベトナムと韓国との関係は樹立されて以降、絶え間なく発展しています。特に、経済分野は著しい発展を見せています。韓国はベトナムに投資している国と地域の中で第1位に立っています。これまで、ベトナムへの韓国の投資総額は520憶ドルに上っています。そして、ベトナムへのODA政府開発援助の供与国としても第2位になっています。韓国のODAは行政・教育・水資源管理・インフラ整備などの分野に集中しています。
ベトナム・韓国自由貿易協定が締結されて以降、両国の貿易関係は一段と発展しています。2017年の貿易総額は615憶ドルに達し、前年と比べ、36.7%増となっています。韓国は、ベトナムにとって最大の輸入超過市場となっています。在ベトナム韓国大使館のリー・ヒュック大使は次のように語りました。
(テープ)
「両国の経済関係がこのように精力的に発展している理由は、両国が互いに補助しあっている経済構造を持っていることにあると思います。中国からベトナムに投資をシフトしている韓国企業は多いです。ベトナムは、若くて器用で、そして、勤勉な労働力を要するのに対し、韓国は、世界トップの資金と技術を誇っています。それぞれの国の強みが互いに補助しあっているのは、両国の経済関係に大きな弾みをつけています。」
そして、近年、観光と労働の分野における協力も日増しに拡大されています。2017年、ベトナムを訪れた韓国人観光客は250万人を超え、128%増ともなっています。これにより、ベトナムを訪れる外国人観光客の国別ランキングで、韓国は中国に次ぐ2位を占めています。他方、韓国はベトナム人労働者を受け入れる国としても2位に立っています。さらに、韓国はベトナムの人材育成も大いに支援しています。ベトナム労働傷病軍人社会事業省のグエン・チョン・ダム元次官は次のように語りました。
(テープ)
「両国関係は幅広く発展しているだけでなく、ますます深化していることは非常に喜こばしいことです。韓国の支援で建設された5校の職業訓練学校は、順調に活動していますが、これからも、ODAをベトナムの職業訓練学校の整備に活用してもらいたいと思います。そして、ベトナムと韓国は、社会の高齢化や身体障がい者への支援など社会福祉での協力拡大を検討する予定です。」
韓国のルックサウス政策の中心
ムン大統領が2017年5月に就任して以降、大国との関係を強化すると共に、ASEAN東南アジア諸国連合とインドを始め、ルックサウス政策を展開しています。韓国のルックサウス政策の中心的な点は、ASEANとの関係を、アメリカ・中国・日本・ロシアといった大国との関係に匹敵させるようにするということです。
ASEAN諸国の中、ベトナムはムン大統領が訪問するインドネシアに次ぐ2番目の目的地です。ベトナム訪問で、両国の指導者らは、政治・外交関係を促進させる措置について話し合うと共に、経済・貿易・観光・文化における協力を拡大させる幾つかの合意書を締結する予定です。
両国関係の展望について、在ベトナム韓国のリー・ヒュック大使は次のように語りました。
(テープ)
「この先25年の両国関係をとても楽観視しています。例えば、ベトナムを最も魅力的な投資先としてみなしている韓国企業が多く、韓国によるベトナム投資ブームが続いています。両国関係はかつてよりかなり良いですが、まだ最盛期にあるとは思いません。これから、最盛期を迎えると確信しております。」
ムン・ジェイン大統領による今回のベトナム国賓訪問により、ベトナムと韓国の関係がさらに発展することは間違いないでしょう。