20年間にわたるベトナムとアメリカの関係・大きな進展
越米関係正常化20周年記念式典で
(写真提供:VGP/Hai Minh)
ベトナムとアメリカの関係正常化20周年を記念するのは過去を閉ざし、両国国民の明るい未来、また、アジア太平洋地域と世界の平和、安定、協力、発展を向かうチャンスとなります。7月11日のベトナムとアメリカの関係正常化20周年、及びグエン・フ・チョン共産党書記長によるアメリカ訪問の終了にあたり、ベトナムの声放送局はファム・ビン・ミン副首相兼外相が執筆した「20年間にわたるベトナムとアメリカ関係・短い道のり、大きな進展」と題する記事をお伝えします。
記事の冒頭に、ミン副首相兼外相はこの20年、両国が収めた最も大きな成果は経済成長率や貿易、投資額指数が関数的に増えるではなく、相違を乗り越え、政治関係と相互理解を強化したことであると強調しました。2000年以降、ベトナムとアメリカは6回にわたり、高級訪問団を交換したほか、2005年、2007年、2008年、及び2013年に4つの共同声明を採択しました。その中で、チュオン・タン・サン国家主席とオバマ大統領が調印したベトナム・アメリカ全面的パートナー関係の確立に関する共同声明は9つの協力分野を定め、両国関係に新たな発展段階を切り開きました。
過去を閉ざし、未来志向、相違を尊重する
ファム・ビン・ミン副首相兼外相は「過去、特に戦争後遺症をなかなか忘れられるものではないが、両国は前向きの精神を掲げ、過去の痛みを乗り越え、将来における関係の構築に取り組んでいます。ベトナムはアメリカ側と戦争中、行方不明となったアメリカ兵の捜索で積極的に協力し合っていると明らかにしました。これまで、アメリカ兵のおよそ950体の遺骨が見つけられ、その中の700体の身元が確定されました。一方、アメリカ側はベトナムに300部あまりの資料を提供し、犠牲となったベトナム兵士の遺骨1千体あまりの収集に役立ちました。また、アメリカ政府は中部ダナン空港でのダイオキシン汚染地区の浄化に1億ドル、戦後、残された地雷・不発弾の除去に8千万ドルを援助しました。解決すべきことは様々ありますが、双方の努力により、戦争後遺症の克服、和解、信頼醸成の促進が図られました。一方、両国間には人権や民主に関する相違が残っているものの、率直で開放的な対話が行なわれ、相違の縮小、協力の強化を狙っています。現在、両国は国連人権理事会の理事国を務め、19回にわたり人権に関する対話を行ないました。
「アジアの世紀」におけるベトナムとアメリカの役割
ベトナムとアメリカはともにアジア太平洋地域と世界の平和、安定、協力、発展に大きな貢献をしつつあります。ASEAN=東南アジア諸国連合が中核的な役割を果たすEAS=東アジアサミットやARF=ASEAN地域フォーラム、ADMM+=拡大ASEAN国防相会議やAPEC=アジア太平洋経済協力会議などの国際場裏でベトナムとアメリカは大量破壊兵器拡散防止、気候変動への対応、水資源の安全保障で緊密に連携する一方、国連平和維持活動に参加しています。年末をめどにASEAN共同体の構築に伴い、双方はASEAN・アメリカ戦略的パートナー関係の樹立を目指しています。
未来に向けての共同ビジョン
1946年2月16日、ホーチミン主席は当時のアメリカのトルーマン大統領に宛てた書簡の中で、「ベトナムの目的は全面的独立とアメリカとの全面的協力だ」と強調しました。また、「ベトナムはこの独立と協力を全世界に利益を与えるものにするよう、全力を尽くす」と言明しました。
現在、世界は迅速に動いており、両国に、歴史的チャンスを見逃さないよう求めています。この20年間、とりわけ、2013年に、両国が全面的パートナー関係を確立して以来の道程をみて、ベトナムとアメリカ関係の順調な発展は東南アジア、アジア太平洋地域の平和と繁栄の維持に寄与し、地域諸国の共通の利益に合致することがわかりました。
記事の最後に、ミン副首相兼外相は「両国関係は多くの歴史的うねりを経たが、この20年に飛躍的な発展を遂げてきた。これはベトナムとアメリカが平等、互恵、政治体制、独立、主権、領土保全の尊重を基礎に協力を進める以外の選択肢はないことを示しました。また、これは過去を乗り越え、それぞれの民族の良い未来を築き、地域と世界の平和、協力、発展に寄与できるような唯一の道であると強調しています。