2017年の東部海域における重要な進展

(VOVWORLD) -1990年代に取り上げられたCOCは、この海域での領土紛争に関する緊張情勢が高まってきた2002年に、ASEANと中国によって討論され始めました。

2017年の東部海域における重要な進展 - ảnh 1    フィリピンで開かれたASEAN外相会議

       (写真:TTXVN)

2017年8月6日に、フィリピンの首都マニラで、ASEAN=東南アジア諸国連合加盟10カ国と中国の代表は、COC=海上行動規範枠組み草案を本格的に合意しました。いまだ多くの試練に直面しますが、これは、重要な進展の一つとして見なされており、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)を巡る緊張情勢の緩和に寄与するものと期待されています。

信頼醸成に繋がる当初の成果

1990年代に取り上げられたCOCは、この海域での領土紛争に関する緊張情勢が高まってきた2002年に、ASEANと中国によって討論され始めました。しかし、長年にわたって、COCの交渉過程はASEAN加盟諸国の努力にもかかわらず、連続的に延期されました。その主な理由は、当事者の意見に相違点があったということです。

2013年に、中国は、行動規範に関する本格的協議会で一致しました。それから4年後の2017年に、ASEANと中国はCOCの枠組み草案を策定させました。COCを実現させるまでの道のりはまだ長いですが、枠組み草案の達成は、ASEANと中国間の信頼を示しています。

ベトナム外交学院東部海域研究院のレ・ディン・テイン副院長の話です。

(テープ)

「COCの本質は、紛争を解決する規制ではありませんが、COCは当事者の間の信頼醸成や対話の規制と原則作りに役立つものです。例えば、平和的措置、対話措置の行使、武力不行使と武力による威嚇の禁止という原則、あるいは航行の自由・安全の原則などです。COCは紛争を解決しませんが、各国間の紛争解決に有利な条件を作り出すという重要な役割を果たすものです。」

フィリピンが中国を相手取って提訴した裁判で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は中国の主張に法的根拠がないと判断を下したこの1年以来、この海域は、領有権を持つ各国の関心事であるだけではなく、域外諸国の関心事となっています。そこで、COCの枠組み草案の合意は国際世論から高く評価されています。在ベトナムイギリス大使館のGiles Lever大使の話です。

(テープ)

「この間、我々は、関連各国のCOC策定に向けた大きな努力を目撃しました。いまだ多くの問題点が明確にされていませんが、この行動規範の実現に向けた潜在力や信頼が見え始めました。COCは、海上活動の管理や、平和・安定した環境づくりに寄与する有意義かつ効果的な措置とされる可能性があると思います。」

安定した海域のためにさらなる多くの努力が必要だ

COC枠組み草案の承認はASEANと中国関係の前向きな兆しであると同時に、複雑な問題に対するASEAN加盟10カ国のコンセンサスを示しました。しかし、重要なのは、行動規範の法的拘束力とする文書を達成することです。先ほどのベトナム外交学院東部海域研究院のレ・ディン・テイン副院長の話です。

(テープ)

「国際法は、この地域における重要な役割を果たしてきましたが、共通の秩序、平和、安定の確保を目指して、国際法の履行に向けた各国の合意や公約が不足しています。1982年の国連海洋法条約は、紛争解決の規制を盛り込んでいますが、COCの中ではその規制を定めていません。しかし、私の考えでは、ASEANは、COCの交渉を早期に行い、また、COCの内容は実質でかつ法的価値を持たせたいということです。」

COCの法的拘束力という内容は、ASEANと中国間の今後の交渉過程の中で主要な問題になるはずです。しかし、ASEANと中国が早期に完全な海上行動規範を達成できるよう期待しましょう。

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