ASEANと湾岸諸国との協力推進に貢献するベトナム

(VOVWORLD) -ファム・ミン・チン首相率いるベトナム高級代表団は、18日から20日まで、ASEAN=東南アジア諸国連合とGCC=湾岸協力理事会の首脳会議に出席し、サウジアラビアを訪問しています。この訪問は、ASEANと湾岸諸国との協力の推進に貢献するものと期待されています。
ASEANと湾岸諸国との協力推進に貢献するベトナム - ảnh 1Manila Bulletin撮影

ASEANとGCC首脳会議が世界と地域の情勢が迅速かつ複雑に推移している背景の中で行われるものです。対話と協力はすべての国にとって必要なニーズとなっています。ASEANは、大国との関係を深化させながら、各国や地域組織との関係を拡大する方針です。これは、ASEAN共同体の構築にあらゆるリソースを活用するとともに、持続可能な開発、対話・協力向けの有利な環境づくりを推進することを目指しています。

このような背景のもと、チン首相による今回のサウジアラビア実務訪問は、ASEAN加盟諸国とともに発展と独立・団結を示し、ベトナムとサウジアラビアとの政治的信頼の強化、協力の効果向上につながる重要な意義を持つとされています。

ASEAN・GCC協力の推進におけるベトナムの役割

およそ7億人の人口を擁するASEAN諸国と6千万人の人口を抱える湾岸諸国は、多くの新興国が集まっており、ダイナミックに発展する地域であると同時に、世界における経済が著しく成長している地域の一つでもあるとされています。

ASEANと同様、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、クウェート、オマーンの6カ国を含むGCC=湾岸協力理事会は、中東地域における上位の重要な地域組織となっています。GCCは1981年5月に設立され、サウジアラビアの首都リヤドに本部を設置しています。GCC加盟諸国は、穏健な外交政策を展開し、東南アジア地域との協力に配慮する方針です。

GCCとASEANの最初の接触は1990年に開催されました。当時、GCCの議長国であったオマーンはASEANとの正式な関係の樹立を提案していました。その後、ASEANとGCCの最初の閣僚級会議が2009年に、バーレーンで開かれました。それ以来、双方の外相は、毎年、アメリカ・ニューヨークで開催される国連総会の機会に、接触をはかっています。今回の会議は、ASEANとGCCとの最初の首脳会議となっています。これは、双方の経済・貿易関係の強化、特に、エネルギー分野での協力の促進、低炭素技術の共有、金融・銀行分野での協力を目指して、双方のニーズに応える重要な出来事であるとなっています。

ASEANの一員であるベトナムは、責任感をもって主体的かつ積極性を発揮し、ASEANとGCCとの関係の強化に効果的に貢献してきました。2018年に、ベトナムはASEANとGCC関係の調整役を担い、当時のGCC議長国であったクウェートとともに、ASEAN・GCC外相会議を共同主催しました。

ベトナムとGCCとの関係のレペルアップ

ASEANと湾岸諸国との協力推進に貢献するベトナム - ảnh 2チン首相(Dương Giang/TTXVN撮影)

GCC加盟6ヶ国はベトナムにとって優先的な協力パートナーとなっています。この協力関係は政治や、外交、貿易、投資、雇用などの分野において拡大されています。ベトナムとGCC加盟4ヶ国であるサウジアラビア、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦はそれぞれの国に大使館を設置しています。ベトナムと湾岸諸国との貿易総額は125億ドルに達し、ベトナムへのGCC加盟諸国のFDI=外国直接投資総額は10億ドルを超えています。現在、およそ1万1000人のベトナム人労働者がGCC加盟諸国で働いています。ベトナムは、アラブ首長国連邦との包括的経済連携協定に関する交渉を進めています。

他方、ベトナムとサウジアラビアとの関係は円滑に発展しています。双方は、常に代表団の相互訪問を行い、国際的な場において互いに支持しています。両国の貿易取引総額は2022年には27億ドルを超え、2021年と比べ32%増となっています。サウジアラビアの多くの大手企業がベトナムにおいて複数の投資プロジェクトを実施しています。現在、およそ5千人のベトナム人労働者がサウジアラビアで働いています。

チン首相がASEAN・GCCの首脳会議に出席し、サウジアラビアを訪問することは、ベトナムの今年の際立った外交的出来事であり、2030年までの多国間外交の促進とレベルアップに関するベトナムの外交政策を続行することが狙いです。

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