(VOVWORLD) -先週、クアッドと呼ばれる日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国による首脳会合が行われました。
(写真:ロイター) |
対面では初めての会合で、4人の首脳は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携を強化し、新型コロナウイルス感染症、気候危機、重要・新興技術という世界で最も差し迫った課題に取り組む中で、顕著な進展を実現したこととして結束をアピールしました。
新型コロナウイルス対策をめぐって、全世界で公平なワクチンへのアクセスを確保するため、国際的な枠組みを通じて資金供与されたワクチンに加えて、12億回分を超える安全で有効なワクチンを供与するとしているほか、生産の拡大を確保するとしています。また、気候変動について、2050年までのカーボンニュートラルを達成するため、水素などのクリーンエネルギーの導入などに取り組むとしています。さらに高速・大容量の5Gや次の世代の通信規格といった重要技術に関し、技術の設計や開発、利用などの原則を取りまとめたほか、インフラについての新たなパートナーシップを立ち上げ、半導体や重要部品のサプライチェーンを強化するとしています。
また、サイバーセキュリティーの分野では、サイバー上の脅威と戦い重要インフラを保全するための専門家によるグループを発足させるとしています。このほか宇宙分野では、気候変動の監視や災害対応などのために衛星データを共有するとしています。また教育分野での協力をめぐって奨学金制度を新たに創設し、アメリカで科学、技術、工学、数学といった分野の研究を行う4か国の大学院生を対象に、毎年、合わせて100人に奨学金を支給するとしています。この会合は、クアッドの首脳が、グローバルな問題のの解決に向けてより広範で全面的なパートナーシップを構築するという目的を設定しました。これは、加盟国間の実質的な協力における前進の一歩とみられます。