米国の税制をめぐり世界の貿易摩擦が高まる

(VOVWORLD) -先週、世界で、アメリカの相互関税政策と主要経済国による対抗措置の影響で、数十年ぶりに世界の貿易摩擦がかつてない規模で激化しています。
米国の税制をめぐり世界の貿易摩擦が高まる - ảnh 1(写真:THX/TTXVN)

アメリカのトランプ大統領は9日、全面適用した「相互関税」について、貿易相手国・地域ごとに設定した上乗せ分を中国を除いて90日間停止すると発表しました。

これに先立つ5日、トランプ政権は、相互関税の第1弾を発動させ、カナダやメキシコなどを除くほぼ全ての国・地域からの輸入品に対して一律10%の追加関税を課した。9日には、第2弾として、米国の貿易赤字額が多い約60カ国・地域からの輸入品の追加関税の税率を上乗せました。中国に対する税率は84%に設定され、中国への追加関税は、既に発動していた20%を含め累計104%となりました。中国政府は10日、報復措置として、米国からの輸入品に対する84%の追加関税を発動しました。しかし、トランプ氏は発動から約13時間後、相互関税の上乗せ分を90日間停止する軌道修正を決めました。一方で、トランプ氏は報復措置で対抗する中国への相互関税を125%に引き上げました。既に発効している追加関税と合算すると計145%となります。さらに、中国政府は11日、米国への追加関税を125%に引き上げると発表しました。トランプ氏は10日の閣議で、一部関税の90日間停止を決定した影響について、「移行上の困難がある」と慎重な姿勢を示しながらも、「歴史的に見れば市場にとって史上最大の日になった。我々は世界に対して公正な扱いを求めている」と述べました。

トランプ氏の高関税政策が世界の金融市場に深刻な影響を及ぼし、株式市場は激しい変動に見舞われています。米国をはじめとする主要市場では警戒感が強まり、株価の乱高下が続いています。トランプ氏が4月2日に相互関税の導入を表明した後、景気後退への懸念が急速に広がり、株式市場には売りが殺到しました。主要株価指数であるダウ平均株価は急落しました。しかし、9日にはトランプ氏が追加関税の一部を90日間凍結する方針を発表しました。これを受け、市場には一時的な安心感が広がり、株価は急反発しました。トランプ氏が相互関税上乗せ分の90日間凍結を決定した背景には、相互関税の表明直後から続く金融市場の動揺が影響していると指摘されています。

ITC国際貿易センターによりますと、アメリカと各国との間の貿易摩擦が90日間の一時停止期間後に解決されない場合、世界貿易は3%から7%減少し、世界経済のGDPも今年中に約0.7%減少する可能性があるとされています。

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