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(VOVWORLD) - グエン・ホン・ハインさん夫妻とセンバック社の銀細工職人にとって、センバック社は銀製品を経営する場所だけでなく、前の世代の伝統文化を保存・発展する場所でもあります。
首都ハノイは国内で最も多くの伝統工芸村が存在する地方の一つです。時代の変化や新しい製品の開発などにより、工芸村の製品が姿を消しつつありますが、幼い頃から銀細工に興味を持っていたグエン・ホン・ハインさんは、銀細工業の保存と新たな発展方針の策定に力を入れています。
ハインさんによりますと、銀細工業は父方の祖母から伝えられてきたもので、昔、職人は銀を鋳造し、形をデザインし、銀を線状にして銀製品を作っていましたが、この職業をより発展させるために、職人は現在、銀の線と鋳造された銀を使用して銀製品を作ります。
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「私たちはこの肖像画のアイデアを考えるために2〜3日間話し合いました。安倍元首相の親しみやすい人柄を表現するのが最も難しかったです。日本人は暖色系の黄色が好きなので、この銀画には金メッキを施されました。安倍元首相の妻昭恵さんは感動しました。これは贈った方にとってとても嬉しいことですよね」
(写真:CTV Tuấn Minh, Quân Hoàng/VOV5) |
(写真:CTV Tuấn Minh, Quân Hoàng/VOV5) |
歴史家ファン・フイ・チューさんによりますと、1500年の歴史を持つディンコン銀細工業は輝かしい発展を遂げてきましたが、この職業にも浮き沈みがあり、衰退していきました。しかし、現在、ディンコン村の銀細工はハインさんを含め、同村の人々によって守られています。銀線を編み込んで製品化する銀細工は、職人の忍耐と熟練を必要とします。
(写真:CTV Tuấn Minh, Quân Hoàng/VOV5) |
(写真:CTV Tuấn Minh, Quân Hoàng/VOV5) |
銀製品を完成させるために、職人は製品のデザイン(手描き)、銀の鋳造(銀の棒を火の鍋に入れる)、銀の圧延、銀線を巻いて組み合わせ、バーナーでろう付け加工を施し、製品のモデルに合わせて成形、研磨して表面を明るくするという多くの工程を経なければなりません。
現在、センバック社には8人の職人が働いています。職人の一人チン・バン・トンさんは次のように語りました。
(テープ)
「新しい作り方に応ずることには困難もあります。途中でやめてやり直しになる場合もあります。しかし、時間をかけて製品を完成させることに集中することにしました。お客様が商品を受け取り、ご満足いただけたことで、私はやりがいを感じています」
センバック社による製品=Sen Bạc |
センバック社による製品=Sen Bạc |
何年にもわたる伝統と最新の技術を組み合わせることで、ハインさんは新時代におけるお客さんの需要に応えるために、銀製品をパーソナルなものにすることにしました。ハインさんは次のように語りました。
(テープ)
「初めての注文はカナダに住んでいる法律家の注文でした。私たちは彼のサインが刻印されたカエデの葉の形をしたブックマークを作りました。彼はこの製品に非常に満足しました。パーソナルなものにした製品についてですが、銀製品にお客様のサインのほか、ニックネームや肖像画などにも刻印します」
センバック社による製品=Sen Bạc |
センバック社による製品=Sen Bạc |
ハインさんの夫チャン・トゥアン・フン建築家はハインさんとともに、センバック社を設立しました。フンさんは次のように述べました。
(テープ)
「製品のデザインを何枚描いたか覚えていません。ボートや鳥、虎、飛行機、サッカーシューズなども描きました。面白いのは、これらの対象に関連づけた銀の絵画やキーホルダー、ブックマークなどの贈答品を作ることができることです。完成までには長い時間がかかりますが、ユニークな製品であると言えます」
グエン・ホン・ハインさん夫妻とセンバック社の銀細工職人にとって、センバック社は銀製品を経営する場所だけでなく、前の世代の伝統文化を保存・発展する場所でもあります。
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