(VOVWORLD) - 北部山間部ソンラ省に住む多くの青年は、地元の観光、文化、農業、林業のメリットを活用して、スタートアップ、起業に励んでいます。
ムオンラ県ゴックチエン村は、穏やかな気候、ポエムのような景色、天然温泉、および、多種多様な農産物等で知られている地方です。
シエンさん(右から1人目) |
3年前に、ルオン・バン・シエンさんは、これらのメリットを生かして、エコツアーの開発でスタートアップを行うことにしました。当時、彼は、他の青年と連携して、コミュニティツーリズム協同組合を設立し、協同組合の会長を務めました。シエンさんは、「当初のエコツアー開発プロジェクトを実施するに際して、様々な困難に直面した」と明らかにし、次のように語っています。
(テープ)
「例えば、長年建てられた高床式の家を宿泊施設として改修することをメンバーに説得することです。というのは、少数民族の風俗習慣や、スピリチュアリティなどにも関わるものだったからです。次に、住民たちが、純粋な農業からサービス業に転換しましたが、意識や思考のレベルが限られていたため、多くの困難に直面したことなどでした」
現在、どの家庭でも観光客を迎える用意があり、どの人もツアーガイドとして活躍することができます。2022年初め以来、このコミュニティツーリズム協同組合は延べ3万人の観光客を迎え、地元の100人あまりの労働者を雇っています。
ムオンラ県ゴックチエン村人民委員会のロ・バン・トア副委員長は次のように明らかにしました。
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「コミュニティツーリズム協同組合は、村民の生計、就労に貢献してきました。特に、協同組合は、コミュニティツーリズムのPR、紹介を積極的に行い、観光開発について村民の思考を改めました」
チュンさん |
一方、フーイエン県に住むダン・ゴック・チュンさんは、木工製品に興味を持ったため、故郷に美術手工芸品と木製家具の生産工場を設立しました。2017年に、家族の庭で栽培されているリュウガン、ライチ、タマリンドの木材を原料にして、ボウル、箸、スプーン、まな板などのシンプルな製品を作り始めました。2020年までに、生産工場の拡大、近代的機械と原材料の購入のため、約5億ドン、300万円程度を投資しました。同時に、他の7人と連携して、「ON」と名付けられた木製家具生産協同組合を設立しました。現在、この生産協同組合は毎月、食品、食料の入れ物、箸、まな板、スプーン、コップ、茶碗、お皿など約5000点を作っています。チュンさんによりますと、これらの木工製品は、においがなく、調理時や食品、飲料などを入れても味に影響を与えないという特性があるので、市場で好評を博しているということです。
チュンさんは次のように語っています。
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「当初、現地住民にとって木製家具の生産はかなり新しい仕事だったので、この仕事に熟練した人は少数でした。しかし、私自身の努力、および、関連機関からの支援により、消費者に愛用されるような質の高い製品を造れるようになりました。省内のスーパーマーケットや、OCOP一村一品製品の販売店から多くの注文を受けていますよ」
その他、「ON」と名付けられた木製家具生産協同組合は首都ハノイ、および南部各省、市にも製品を提供しています。この協同組合は、地元の労働者15人を雇っています。協同組合のメンバーであるフン・ティ・チャンさんは次のように語っています。
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「この生産工場で働いている私と他の女性たちには、小さな子どもがいます。毎日、子どもを学校に連れて行き、家族の食事を作らなければなりません。ですが、この仕事は時間の制約がないので、この生産工場で働くことにしました。月給はおよそ4百万ドン、2万4000円程で、家族の生活費を賄うことが出来ます」
ソンラ省人民委員会は、青年のスタートアップ運動をサポートするため2022年末に、「少数民族居住地と山間部における起業・創業の促進と投資誘致」に関する計画を展開しています。
ソンラ省科学技術局のグエン・ズイ・ホアン副局長は次のように語っています。
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「地元のスタートアップコミュニティをサポートし、特にアイデアを育て、そのアイディアの実現を支援するため、ソンラ省行政府は、資金調達に配慮しています。また、ソンラン省人民評議会は、第143号決議を発行し、その中で、スタートアップとイノベーションのエコシステムを支援するため、支出金額レベルを定めました」
若者の創造性、熱意、そして地元の行政府の支援は、多くスタートアップモデルを生み出し、生計を立てるだけでなく、少数民族が貧困から立ち上がるための動機づけにもなっています。