マイ・フォック・ズン大使

フック主席の今回のシンガポール訪問はベトナムとシンガポールとの伝統的友好と戦略的パートナー関係があらゆる分野で良好に発展している背景の中で行われ、両国関係が新しい発展段階に押し上げることに原動力を作り出しています。

フック主席のこの訪問は経営環境の改善、経済発展に対するベトナム政府の決意を表明すると共に、ベトナムに進出しているシンガポールの投資家に対し新型コロナが流行している背景の中でもベトナムで安心して事業活動を行うようというメッセージを送るためのものでもあります。

あらゆる分野における効果的な協力

新型コロナウイルス感染症が複雑に推移している背景の中でも、両国は高級レベルの相互訪問を行っています。貿易協力に関して、2021年、両国間の取引総額が８３億ドルに達し、2020年と比べて23.3％増となりました。2022年1月、ベトナムとシンガポールとの輸出入総額は７億８４００万ドルに達し、２０２１年同期と比べて６．８％増となりました。

投資分野において、2022年2月現在、シンガポールはベトナムで投資総額660億ドルに相当する2860件のプロジェクトを実施しています。シンガポールはASEAN＝東南アジア諸国連合の中で、ベトナムへの最大の投資家で、ベトナムに投資を行っている世界140の国と地域の中で第2位に立っています。特に、2021年に、シンガポールはベトナムに107億ドルを投資しており、ベトナムの最大の投資家になりました。

2021年、ベトナム・シンガポール経済連携に関する閣僚会議が開かれました。これにより、双方は財政、教育養成、交通運輸、情報通信技術、投資、貿易、サービス、インベンション・イノベーションなどの分野で協力を集中的に行うことで一致しました。

交通運輸分野において、シンガポールはベトナムの重要な航空市場の一つです。現在、ベトナムとシンガポールの航空会社は定期便の再開を行っています。

特に、この2年、ベトナムとシンガポールは新型コロナウイルス感染症予防対策で緊密に協力してきました。両国は互いに多くの医療設備と物資を分かち合いました。シンガポール駐在ベトナム大使館のマイ・フォック・ズン大使は次のように語りました。

（テープ） 

「ベトナムは新型コロナの第1波で、シンガポールに多くの医療設備を支援してきました。一方、ベトナムで新型コロナが発生した時、シンガポールは 人工呼吸器、医療用防護服、医療用マスクなどを支援しました。外務省は検査キットを寄贈しました。2021年9月、シンガポールは５００万ドル相当の多くの医療設備を寄贈しました。」

双方はシンガポールがベトナムに支援するイギリスのアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン１２万２４００回分を受け取るための手続きを行っています。

また、現在、シンガポールに在住しているベトナム人はおよそ１万３千人で、その大部分は留学生、研究生、知識人、労働者などです。シンガポール駐在ベトナム大使館のマイ・フォック・ズン大使は「シンガポール在住ベトナム人の大部分は知識人であり、所在国の法律を遵守している」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「シンガポールに在住しているベトナム人は知的水準が高い人々で、いずれも、母国ベトナムに思いを馳せています。彼らはベトナムでの発展を目指すプロジェクトに参加する意向があります。その中で、多くの人々は情報技術分野における優れた人材です。今後、ベトナムとシンガポールはデジタル転換分野で協力するならば、これらの人材の能力を活かすことができます」

ベトナムとSPとの二国間関係の重要性を強調

フック主席の今回のシンガポール訪問は両国が2023年に外交関係樹立50周年、戦略的パートナー関係樹立10周年を記念する準備を進めている背景の中で行われ、特別な意義があると言えることでしょう。