国のあらゆる発展段階において、ベトナムは常に国民が人間の基本的権利を享受するため、平等、相互尊重、相互理解を基礎に、人権保護分野における国際協力の強化のため全力を尽くしています。

人権に関する十分な法的基礎の整備

2013年憲法は人権に関する内容が1946年から制定されたベトナムのいくつもの憲法に記載された内容と一貫していることを示しています。その他、2013年憲法は新しい情勢における人間の権利、及び、市民の基本的権利と義務に関するベトナム共産党と政府の認識が補充されています。人権に関する国内の法律を完備させると共に、ベトナムは国際協力を推進しています。

現在、ベトナムは人間の権利に関する国連の殆どの条約を締結しました。例えば、市民的及び政治的権利に関する国際規約、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約などです。

また、ベトナムは国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、人間（特に女性及び児童）の取引を防止・抑止し、罰則の議定書などを締約しました。

ベトナムはアジアで初めての地域人権機関として2009年に設立されたAICHR＝ASEAN政府間人権委員会、2012年カンボジアの首都プノンペーンで採択されたASEAN人権宣言の作成などに積極的、かつ、効果的に参加しました。

ベトナムはアメリカ、EU＝欧州連合、オーストリア、ノルウェー、スイスなどを含め、世界の多くの国々と人権に関する対話強化を重視しています。

人権保護における否定できない成果

ベトナム国民の基本的権利の保護と改善が民事的、政治的、経済的、社会的権利の履行に明確に示されています。特に、ベトナム政府は民主主義性を活かして、「国民が知り・国民が討議する・国民が検査する」という方針を堅持しています。人民は国家のすべての物事を決定します。国家管理、社会管理に参加する権利はベトナム国民の最も重要な権利の一つとなっています。

ベトナムでのマスコミが形式面でも内容面でも急速に発展しているのはベトナムにおける言論の自由、報道の自由の証と言えます。そして、各種類の協会、連盟、クラブの数も急増していることはベトナム国民の結社の権利が確保されていることを示しています。

そして、各宗教の聖職者や修行者の数が年を追って増加していることにより、人民の心の拠り所に十分に応えられています。ベトナム政府は各宗教が聖職者の育成のための学校の開設、経書の出版、社会活動への参加に有利な条件を作り出しています。ベトナム政府は民族政策、特に、各民族間の権利の確保を重視しており、これを国の持続可能な発展を左右する要素と見なしています。

経済の発展はベトナムが社会面に残されている問題点、社会公平の実施に有利な条件を作り出しています。現在、ベトナムは極度の貧困と飢餓撲滅、普遍的初等教育の達成、ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上、幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善の5つの国連のミレニアム目標を達成しました。

現在、人権に関する考え方が様々ですが、ベトナムがドイモイ事業に達成した成果は人間の権利保護に対するベトナムの努力の証と言えることでしょう。