(VOVWORLD) - 1994年、ベトナムは1982年国連海洋法条約に加盟しましたが、それ以来、積極的に海洋に関する法律の制定・完備を進めてきました。これは、海洋資源の管理・開発、海洋経済発展、領海保護などに役立っています。
ベトナムは、チュオンサとホアンサの両群島を含め数千もの大小の島々や、3260キロメートル以上の海岸線に恵まれています。海洋の大きな利益を十分に認識したベトナムは、1982年国連海洋法条約の制定プロセスに積極的に参加し、この条約を早期に批准した国々の1つとなっています。これは、ベトナムが国際社会とともに、海上での開発協力を促進する決意であることを示す証とみられています。
海洋に関する政策の制定・完備
海と島は、ベトナムの国家主権の重要な構成部分であり、国の建設・防衛・発展事業と密接に結びついている生存空間でもあります。これを踏まえ、ベトナム共産党は海と島に関する複数の政策、路線、ビジョンを発布してきました。中でも、「2020年までのベトナム海洋戦略」や、「2030年までのベトナムの持続可能な海洋経済発展戦略と2045年までのビジョン」があります。
「2020年までのベトナム海洋戦略」は、国の工業化・近代化事業の促進を目指し、海洋経済を国力の重要な一部として発展させるという目標を掲げています。また、石油ガスの開拓や、海産物生産・加工、航海産業発展、海洋観光開発、海洋経済地区建設を優先課題に定めています。
一方、「2030年までのベトナムの持続可能な海洋経済発展戦略と2045年までのビジョン」は、海洋資源の持続可能な使用や、環境保護、領海保護、海洋文化づくり、気候変動への対応、塩害対策などを重要な課題として取り上げています。特に、自然災害への対応能力の向上を優先課題とみなしています。
海洋に関する法律システムの完備
1982年国連海洋法条約に則て行われる海洋資源開拓や、国際協力などへの法的枠組づくりを目指し、ベトナムは海洋に関する複数の法律を発布してきました。例えば、2005年と2008年の石油ガス法や、2014年の環境保護法、2003年の国境法、2017年の水産法、2015年の航海法、2018年の海上警察法などです。
また、これらの法律の効果的履行を目指し、政府と関連各機関はそれぞれの法律に関する施行細則政令を発表してきました。1982年国連海洋法条約の加盟により、ベトナムは海洋に関する総合的な法律を制定せざるを得ませんでした。こうした中、2012年6月21日、ベトナム国会は海洋法を採択しました。2013年1月1日に発効されたこの法律は海洋に関連する法律を含むベトナムの法律システムの健全化・完備に貢献しました。
また、これは、ベトナムの領有権に属する海域や、島々などを規定する最初の法的文書となっており、海洋経済活動の法的基礎を作り出しています。同時に、これを通じて、世界に対し、「ベトナムは常に、1982年国連海洋法条約を含め国際法を順守し、世界の平和・安定・発展・協力のために取り組んでいる」というメッセージを送っています。