(VOVWORLD) - 先週末、ハノイでファム・ミン・チン首相の主宰により、「柔軟で近代的かつ持続可能な労働市場の開発と国際統合」をテーマとしたオンライン会議が行われました。
写真撮影:Tran Hai
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これまで、ベトナムの労働市場は飛躍的な発展を遂げ、地域と世界の労働市場への統合が推進されてきました。
労働市場の回復
労働傷病軍人社会事業省によりますと、年初からの7カ月は、ベトナムの労働市場はまだ新型コロナウイルス感染症によるマイナスの影響がありましたが、その度合いは徐々に減少しています。第1四半期に新型コロナの影響を受けた15歳以上の労働者数は1690万人でしたが、第2四半期は8百万人に減少しました。また、失業数も激減しました。
現在、ベトナムの労働市場は迅速な回復を見せ、雇用の質が改善され、労働者の収入が増加しています。今年上半期の労働者数は5140万人となり、昨年同期と比べ、40万人増えました。都市部の労働者数は急増する一方、農村部の労働者数は急減しました。また、同期間の労働者の収入は昨年同期と比べ5.3%増となっています。労働市場の回復と開発、雇用創出の推進を目指す様々な政策が実施されており、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける労働者と雇用主に対する支援策に関する政府決議第68号や新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けた労働者および雇用者に対する失業保険基金からの支援政策に関する政府決議第116号に基づき、雇用主延べ70万人、および労働者延べ5千万人に82兆ドン、約4500億円の支援金が支給されてきました。また、国内各地は労働者向けの家賃補助政策に関する首相決議第8号を精力的に実施しています。
迅速かつ持続可能な労働市場の開発を目指す
2021年~2030年期のベトナムの社会経済開発10ヵ年戦略には2030年までに現代的な工業国になり、2045年までに先進国の仲間に入るという目標が盛りこまれ、人材開発は3つの突破口の一つに定められました。
今後、ベトナムは柔軟で近代的かつ持続可能な労働市場の開発と国際統合、熟練労働者の育成、持続可能な雇用創出、労働分野における国際協力、国内外の労働市場の連携を促進するため、政策・法律の整備が継続されるとしています。グローバル化が進められている背景の中でベトナムはデジタルトランスフォーメーションやグリーン転換、気候変動対応などの分野を中心に、労働市場の開発を進める方針です。また、省レベルから国家レベルまでの労働市場の動きの予測や情報システムの設立を目指し、リソースを活用して、政策・メカニズムを充実する必要があるとの見解が出されました。戦略的なビジョンに基づき、市場メカニズムに見合った雇用創出政策の策定は質が高く、創造的かつ持続可能な労働市場の創出、僻地や山間部の住民、社会的弱者向けの雇用創出に貢献し、デジタルトランスフォーメーション、エネルギー転換、気候変動対応への取り組みを目指します。さらに世界労働市場への統合を促進するため、労働者向けの外国語教育や技能を向上させる訓練が強化され、国内各地方間、および国内外の労働市場との連携や供給と需要とのマッチングが重視されています。労働市場は社会主義を志向する市場経済体制に奉仕するものとして開発されていきます。