(VOVWORLD) - ことしの7月11日の世界人口デーを迎える中で、多くの国は人口問題に関する試練に対応し、持続可能な開発に原動力を作るために取り組んでいます。一方、国連はジェンダー平等促進の重要性に関するメッセージを発信しています。
国連のデータによりますと、2022年11月15日、世界人口は80億人に達しました。そして、2037年には90億人、2057年には100億人に増える見通しであるとしています。
世界人口の実情
世界人口が増加傾向にある中で、アジアとヨーロッパのいくつかの国は人口減少問題に悩んでいます。日本を例として取り上げますが、同国は少子高齢化が深刻化しています。日本総務省が5月5日の「こどもの日」に合わせて毎年公表される統計によりますと、ことし4月1日現在、15歳未満の子どもの推計人口は、前年より30万人少ない1435万人で、1982年から42年連続の減少となったということです。
イタリアも同じ問題を抱えています。2022年に生まれた同国の子どもの数は前年と比べ3%減少しました。少子高齢化問題は各国の社会保障にマイナス影響を与えるとともに、労働力不足や、経済成長の減速などの問題につながります。
一方、人口が急増する国もあります。例えば、インドとエジプトなどです。UNFPA=国連人口基金は4月19日、最新の「世界人口推計」を公表し、インドの人口が今年半ばに中国を抜いて世界最多となるとの見通しを示しました。
チャンスと試練が伴う
人口増加は人口学の面でのメリットとみられています。人口増加により、労働力も豊富になります。これは経済成長に多くのチャンスをもたらしています。また、人口増加は医療や、科学技術などの成果を示すものともされています。しかし、専門家らによりますと、チャンスには多くの試練も伴っています。というのは、人口増加はインフラや、医療・教育システム、社会保障、社会福祉などに圧力を加えながら、中期的な経済開発に影響を及ぼすからであるとしています。
こうした中、各国は自国の現状に見合う対策を実施しています。少子高齢化が進む国々は出産奨励措置をとっている一方、インドや、中国、エジプトなど人口が急増している国々は家族計画政策を進めています。しかし、これらの措置は期待通りの成果を上げていないのが事実です。
問題解決のためのジェンダー平等促進
UNFPAによりますと、女性と女児は世界人口の49.7%を占めています。彼らは生活や、雇用などの面で権利が侵害されています。こうした中、UNFPAは男女平等の促進の重要性を強調したうえで、各国に対し、女性と少女へのエンパワーメントを強化するよう呼びかけています。そして、2023年の世界人口デーのテーマを「ジェンダー平等の力を活かして、無限の可能性を開放するため女性と少女の発言力を向上」に定めています。女性と少女へのエンパワーメントプロセスは、女性と少女の意見に耳を傾けることや、女性と少女の正当な権利を守るための政策と法律を制定することから始まるとしています。
人口と社会の進歩・発展は緊密な関係があります。したがって、ジェンダーと人口に関わる問題を効果的に解決することは世界の安定・発展・繁栄にとって極めて重要な意義があります。そして、「天の半分を支える」女性の力を活用できれば、持続可能な開発目標が早期に達成できるでしょう。