国連事務総長が取り上げた5つの緊急課題について

(VOVWORLD) - グテーレス事務総長によりますと、疫病状況の複雑な推移に伴い、気候変動や、環境汚染、生物多様性の減少、各国での政治的不安定・経済危機・インフレ、各大国間の不信と競争などが激化しています。
国連事務総長が取り上げた5つの緊急課題について - ảnh 1国連のアントニオ・グテーレス事務総長=Xinhua/Xie E

既にお伝えしましたように、21日、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は国連総会での今年初めての演説を行い、この1年、国際社会が優先的に取り組むべき緊急課題を取り上げました。

これらは、「新型コロナウイルス対策」や、「国際金融システムの改革」、「気候変動対策」、「デジタル技術の活用と適切な管理」、「平和の構築」の5つの課題です。

グテーレス事務総長は、「世界情勢が混乱し、冷戦時代よりも予断しにくい」と指摘し、それに深い懸念を表明しました。「新型コロナウイルス対策」については、「今もなお、この疫病は人々の生命と希望を奪うとともに、各国の複数の計画を失敗させている」としたうえで、「新たな変異ウイルスに備えるためにも、先進国と途上国の間のワクチン格差を是正しなければならない」と呼びかけました。また、「平和の構築」については、「われわれは1945年以来、最も多くの暴力的な紛争に直面している」と述べ、暴力によって人権や、法の支配が脅かされているとの危機感を示しました。

グテーレス事務総長によりますと、疫病状況の複雑な推移に伴い、気候変動や、環境汚染、生物多様性の減少、各国での政治的不安定・経済危機・インフレ、各大国間の不信と競争などが激化しています。特に、医療や、デジタル技術などをはじめあらゆる分野における多国間枠組みが時代遅れになっています。

世界の多くの多国間組織はこれらをグローバル・ガバナンスにおける失敗を示すものとみなしています。こうした中、全世界は力を合わせ、共に行動しなければならないとしています。そのうえで、グテーレス事務総長は「これらの5つの課題へのわれわれの対応が、今後数十年の人類と地球の行方を左右することになる」と述べ、すべての加盟国に一致して取り組むよう訴えました。

各大国間の不信と競争に関し、グテーレス国連事務総長は関係緊張が続くアメリカと中国に対し、「世界経済と国際市場の分極化を回避するため、貿易や技術などに関するダイアローグを行うよう」促しています。

これに先立ち、グテーレス事務総長は新年メッセージのなかでも、深刻化する貧困と拡大する不平等や、新型コロナウイルスのワクチンの不公平な分配、不十分な気候コミットメント、継続する紛争と分断、誤情報などの問題を取り上げ、「これらは、単に政策上の試練ではなく、道徳上の試練であり、現実に起きている試練である」と指摘しました。そのうえで、それらの試練を克服するため、世界各国の決意と努力をアピールしました。

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