少数民族の文化的価値の保存と発揮 ベトナムの終始一貫した立場
(VOVWORLD) - ベトナムの少数民族の文化はベトナム文化の重要な一部です。少数民族の伝統文化の保存と発揮は、党と国家の優先課題事項の一つであり、現在の重点的な任務でもあります。
少数民族タオイ族の儀式 |
2019年の国勢調査によりますと、ベトナムの少数民族の人口は1400万人以上で、総人口の約14.7%を占めています。それぞれの少数民族は独自の文化を有しており、ベトナム文化を豊かにすることに貢献しています。
文化的価値を保存・発揮するものとして、その文化空間ほど優れた環境はありません。少数民族が多数暮らしている北西部ソンラ省では近年、大衆文芸運動が盛んになっています。現在までに、この省にはすべての村や集落に 3300 を超える文芸チームがあります。これにより、ソンラ省は、国内で最も多くの文芸チームが存在する地方の 1 つです。同省は毎年、草の根レベルでの大衆文芸活動を支援するために予算から数十億 ベトナムドンの資金を拠出しています。ソンラ省ソンラ市チエンアン地区の文芸チームの担当者ロー・スアン・フォンさんは次のように語りました。
(テープ)
「党と国家の関心により、当チームは、省の予算から毎年 200 万ドン(日本円で約1万2千円)の資金を受けています。その他、この地区に暮らす世帯はそれぞれ、毎年3万ドン(約170円)を地区の文化・スポーツ基金に寄付しています。私はどのようなパフォーマンスを行うのか、どのような衣装、どのような小道具が必要かを見積もり、チームに報告して資金を拠出します」
一方、中部トゥアティエンフエ省アルオイ県では、アリュー・カール、アリュー・ピイング、アリュー・アザなどのパコ族の伝統的な祭りが復元されました。アルオイ県の文化情報課のレ・ティ・ティエム課長は次のように語りました。
(テープ)
「今後とも、それぞれの少数民族の文化の特徴を踏まえ、少数民族のユニークな文化的価値の保存と発揮に力を入れていきます。 例えば、私たちは引き続き伝統的な祭りを再現します。民謡や舞踊などその他の伝統文化も観光客が体験できるような活動として生かされます」
ソンラ省とトゥアティエンフエ省は、少数民族の伝統文化の保存を促進している多くの地方のうちの 2 つにすぎません。ベトナム全土では、現在までに少数民族の80 以上の伝統的な祭りが復元されています。また、少数民族の30 以上の伝統的な村が、観光開発と結び付いた保存という方向に従って投資されています。そして、国家無形文化遺産リストには、少数民族の145件の無形文化遺産が含まれています。文化スポーツ観光省は毎年、4月19日の「ベトナム少数民族の文化の日」を祝う様々な活動を全国各地で行うとともに、少数民族の民謡や舞踊、伝統工芸を教えるクラスを開いています。
ベトナム共産党は常に、少数民族の文化的価値の保存と発揮を主張しています。民族のアイデンティティーに富んだ先進的なベトナム文化の構築に関する第8回、第9回、第11回党大会の文書は近年、少数民族の文化的価値を保存・発揮する政策を方向付ける上で重要な基礎となっています。また、第 13 回党大会の決議では、ベトナムの文化的ソフトパワーを促進するための多くの重要かつ画期的な視点と主張が特定されました。その中でも、少数民族の文化的価値の保存と発揮は、最も重要かつ画期的な課題の一つです。
特に、「2021年~2030年期の少数民族居住地と山岳地帯の社会経済開発に関する国家目標プログラム」は、少数民族居住地の社会経済開発と少数民族の伝統文化の保存・発揮を両立させるもので、精力的に展開されています。これは、少数民族の伝統文化の保存・発揮に対する党と国家の関心を示すものです。