米入国禁止令の一部発効 審査混乱の可能性

(VOVWORLD) - 最高裁が最終判断を下すまでは、大統領令を支持する側とそれに反対する側との戦いが厳しくなりますが、トランプ大統領がまた勝つのは時期尚早でしょう。
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アメリカ連邦最高裁判所は26日、トランプ大統領が3月に署名した中東・アフリカ6カ国からの入国を一時禁止する新大統領令について、カリフォルニア州の連邦高裁などの差し止め判断を一部解除すると発表しました。トランプ大統領の大統領令が29日、連邦最高裁の決定を踏まえ、条件付きで執行されますが、最高裁は今秋に審理を行い、その後、最終的な判断を下します。

入国禁止はイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの国民が対象です。今回入国が禁じられるのは、この6カ国からの訪問者のうち、アメリカ人やアメリカ国内の企業や団体などと、強い関係を持たない外国人となります。アメリカに家族が住む人や大学への入学を許可された人など、既にアメリカとの「真正な関係」がある場合は入国を認められます。

様々な反応

この決定を受け、トランプ大統領は「アメリカの国家安全保障にとって、明確な勝利」と歓迎し、「私は大統領として、我々に危害を加えようとする人物を我が国に入国させるわけにはいかない」と強調する声明を発表しました。

そして、訴訟を起こしたワシントン州のインズリー知事は「連邦最高裁の判断でかなりの人は守られる」と一定の評価をしました。しかし、入国希望者の中から「真正な関係」の有無を区別する作業が混乱する恐れもあります。

最高裁が打ち出した「真正の関係」の概念は、具体的に何を意味するのかはっきりしません。最高裁は家族がいる場合などを例示しています。アメリカ政府も定義の明確化に努めていますが、ロイター通信によりますと、既にビザ取得を目前にしていた人などの間に不安や戸惑いが広がっています。保守派の最高裁判事3人は「アメリカと十分なつながりがあるかどうかを判断する重い仕事を政府職員に負わせ、訴訟の洪水を招くことになるだろう」と警告しています。

最終的な判断じゃない

連邦最高裁の今回の決定はトランプ大統領にとって勝利と言えますが、大統領令の一部しか認めませんでした。連邦最高裁は10月以降、双方の主張を聞く口頭弁論を開いた後、大統領令が憲法に違反するかどうかを最終的に判断する見通しです。

最高裁が最終判断を下すまでは、大統領令を支持する側とそれに反対する側との戦いが厳しくなりますが、トランプ大統領がまた勝つのは時期尚早でしょう。

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