ASEANとEU、平等で互恵的な協力を目指す

(VOVWORLD) -先週、ブリュッセルでEU欧州連合とASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議が開かれました。
ASEANとEU、平等で互恵的な協力を目指す - ảnh 1(写真:VGP)

会議は外交関係樹立45年を記念して開催し、EU27カ国と、ASEAN9カ国の首脳らが参加しました。首脳会議では共同声明が採択されました。

採択された共同声明には、経済協力と貿易、コネクティビティーとデジタル化の推進、持続可能な開発と気候変動、新型コロナウイルスへの対応などについて、双方の戦略的パートナーシップの重要性などが盛り込まれました。

貿易については、WTOを中心としたルールベースの多国間貿易体制への支持を確認し、サプライチェーンの強靭化といった共通の課題に取り組むとしました。両ブロック間のFTA=自由貿易協定については「将来のEU・ASEAN間FTAが共通の長期的な目標であることを再確認する」との表現にとどまりました。EUとASEANは10月に世界初となるブロック間の航空協定に署名するなど、経済面での関係強化を進めています。

また、会議の共同声明によりますと、EUはEAS=東アジア首脳会議、拡大ASEAN国防相会議の両枠組みで、参加に関心を示しました。

また、会議では通商、環境・デジタル分野の移行、医療などでの将来の協力についても協議されました。フォンデアライエン欧州委員長はASEANに100億ユーロ(約1兆4400億円)を拠出すると発表しました。エネルギーやデジタル分野などでインフラ支援を強化するとし、世界各地のインフラ整備を支援するEUの「グローバル・ゲートウエー」戦略の一環でした。フォンデアライエン氏は、技術革新の促進には「インフラと人への大規模な投資が必要だ」と強調しました。

会議後の共同声明は、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題を念頭に置いた国際法の尊重も盛り込みました。

ベトナム東部海域問題について、ASEANとEUは、同海域の平和・安全保障・航行の自由を確保する責任とその利益を共有しているとともに、信頼醸成の強化、情勢を複雑化させる行動の自制、国際法に従って紛争を平和的に解決することの重要性を強調しました。

ASEANとEUとの関係樹立45周年を記念する首脳会議で、再生エネルギーや、グリーン開発、持続可能な開発、デジタルトランスフォーメーションなどに関する公約は発表され、今後も、平等・互恵という原則に基づくASEAN・EU関係の深化に力を入れていくという方針が打ち出されるとしています。

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