トランプ大統領「鉄鋼に25%関税」 国内外で反発広がる
(VOVWORLD) (NHK)-アメリカのトランプ大統領は、中国の過剰生産によって、安く輸入されている鉄鋼製品に25%の高い関税を課す、異例の輸入制限措置の発動を来週にも正式に決める意向を明らかにしました。主な標的は中国ですが、日本を含む各国が措置の対象になる可能性があることから、国内外で反発が広がっていて、トランプ大統領の最終的な判断が注目されます。
アメリカのトランプ政権は、戦闘機や軍艦の製造に使われる鉄鋼やアルミニウムが、中国で過剰に生産されて国際的に価格が下落し、各国から不当に安く輸入されているとして安全保障への脅威を理由に、大統領権限で行う異例の輸入制限措置の発動を検討しています。
これについて、トランプ大統領は、1日、鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の関税を課す考えを示し、来週にも措置の発動を正式に決める意向を明らかにしました。
トランプ大統領は、対象国については明らかにしていませんが主な標的とする中国だけでなく、日本を含め、鉄鋼やアルミニウムをアメリカへ輸出するすべての国が対象になる可能性が出ています。
このため、EU=ヨーロッパ連合やカナダが、仮に対象になれば、対抗措置も辞さない考えを明らかにしたほか、アメリカ国内の産業界からも、鉄鋼価格の上昇などによる製造コストの負担の増加を懸念する声が出ています。
この措置をめぐっては、政権内にも、報復措置の応酬によって、貿易摩擦が激しくなり、アメリカ経済に悪影響が及ぶなどとして、反対する意見も根強くあり、トランプ大統領の最終的な判断が注目されます。