23日、ハノイで開催中の第29回外交会議で、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は演説を行い、ドイモイ刷新事業が実施してからのこの30年、ベトナム外交は、周辺環境の平和維持、世界各国の支援の活用、国際社会におけるベトナムの威信向上に大きく貢献していると高く評価しました。
しかし、フック首相は、ベトナムが、大国が競争して影響力を拡大しつつある戦略的な地域にあることや、ベトナム東部海域(南シナ海)で領有権紛争が起きる危機があることなど、ベトナムが直面している外交面での試練を指摘しました。こうした中で、外交部門はさらに流動的かつ主体的に外交業務を展開し、国の工業化と近代化事業の促進に寄与する必要があると求めました。フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「まずは国の戦略的優先課題を確定し、新時代における外交部門の戦略的方針を定めること。私たちは、時間やチャンス、力に限られる中、全てをすることができません。国の主権保護、安全保障、経済社会発展などにおいて、中核的国益は何か、必ず守らなければならないことは何か、譲られる利益は何かということを明らかにしなければなりません。ここでは、「不変に以って万変に応ず」というホーチミン主席思想を外交に活用する必要があると思います。つまり、協力できることは緊密に協力する。トラブルがあった場合、類似点を活用して相違点を克服し、解決するということです。」
このように語ったフック首相は、建設的政府作りという精神を強調した上で、外交部門に対し、建設的外交作りに取り組むよう求めました。その建設的外交は外交だけでなく、経済・社会など全ての分野においても国際協力の促進を目指すものであるとしています。