ブラジル大統領の弾劾裁判 罷免の可能性高いとの見方
8月25日、ブラジル上院本会議の光景=
EPA/ TTXVN
(NHK) 政府会計の不正操作に関わったなどとして、職務が停止されているブラジルのルセフ大統領に対する弾劾裁判の最終審理が始まり、地元メディアは、ルセフ氏が罷免される可能性は高いと伝えています。
ブラジル議会上院は、ルセフ大統領が政府会計の不正操作に関わったなどとして、ことし5月にルセフ氏の職務停止を決め、今月10日には、弾劾裁判の最終審理へと手続きを進めることを賛成多数で承認しました。その最終審理が25日、議会上院で始まり、最高裁判所長官が指揮をとる中、不正が行われたと追及する側の証人が出廷し、「大統領は、みずからの行いが不正だと知りながらそれを実行した」などと証言しました。
最終審理は今月末まで行われる見通しで、大統領側の証人も意見を述べるほか、29日にはルセフ氏自身が出廷して身の潔白を訴えることになっています。そして、最終日には、大統領の罷免の是非を問う最終的な採決が行われ、議員定数の3分の2に当たる54人が有罪と判断すれば、ルセフ氏は罷免されることになります。今月10日に行われた最終審理へと手続きを進める是非を問う採決では、59人が賛成したことから、地元メディアは、ルセフ氏が罷免される可能性は高いと伝えています。
ルセフ氏を支持するグループと反対派は、今月末に首都ブラジリアや最大都市のサンパウロなどでデモ行進を呼びかけていて、混乱も予想されています。