欧州目指す難民 死者・不明者5000人超 過去最悪
写真: AP
(NHK)ことし、ヨーロッパを目指して地中海を渡ろうとした難民や移民のうち死亡したり、行方不明になったりした人は5000人を超えて過去最悪となり、装備が不十分な船での危険な渡航があとを絶たないことが背景にあると見られています。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は23日、スイスのジュネーブで記者会見し、22日に地中海で難民や移民を乗せた2隻のゴム製のボートが転覆するなどして、合わせておよそ100人が死亡したと発表しました。この事故で、ことしに入ってから、ヨーロッパを目指して地中海を渡ろうとした難民や移民で、死亡したり、行方不明になったりした人は5000人を超えました。
この数は、多くの難民や移民がヨーロッパに押し寄せてきた去年を1200人近く上回り、統計を初めて以来、過去最悪となっていて、リビアなど北アフリカからイタリアを目指す装備が不十分な船での危険な渡航があとを絶たないことが背景にあると見られています。
UNHCRは、ヨーロッパ各国が難民や移民の受け入れをより積極的に行えば危険な渡航は減るとしていますが、各国では、受け入れに対する批判的な意見が広がっていて、有効な対策が見いだせない状況が続いています。