【sankei】朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が8日、誕生日を迎えます。これまで大々的に祝典が行われたことはなく、最高指導者就任5年の節目に公式祝賀が行われるかが注目されます。だが、そもそもなぜ、「独裁国家」のリーダーにもかかわらず、祝賀が控えられてきたのか。
アメリカに亡命した親族の証言などから、金委員長は今年33歳になるとされます。
(写真:AFP/TTXVN)
朝鮮民主主義人民共和国メディアは最近、金委員長に対し、「党と国家、軍の最高指導者」という呼称を頻繁に用い、金日成(イルソン)主席や金正日(ジョンイル)総書記と同格視し始めました。だが、祖父や父のように肖像画やバッジに描かれることはなく、朝鮮民主主義人民共和国のカレンダーでも8日は通常の日曜日扱いです。
背景には、社会主義国にもかかわらず、根強い儒教の影響があります。祖父や父をたて自らは控えることが美徳とされます。金総書記は公式登場後の40歳になっても盛大に誕生日を祝うことを控えさせてきたと伝えられます。全国に銅像が建てられたのも死去後です。
金委員長も誕生日を祝賀しようとの周囲の声を固辞してきたとみられています。
そうした中、礒崎敦仁・慶応大准教授(朝鮮民主主義人民共和国政治)は、昨年10月に党機関紙「労働新聞」に掲載されたアピール文に注目します。金主席生誕105年、金総書記生誕75年の節目の今年に両指導者の業績をたたえる祝典の国際準備委員会がインドネシアのジャカルタで結成されたことを伝えるものです。