（写真：AFP/TTXVN)

【AFP】シリア中部の古代都市パルミラを昨年12月に再び制圧したイスラム過激派組織 ＩＳ「イスラム国」が、さらに2つの貴重な遺跡を破壊していたことが分かりました。シリアの考古学当局者が20日、明らかにしました。

シリア文化財博物館総局のマムーン・アブドルカリム総局長はAFPの取材に対し、テトラパイロンと呼ばれる16本の柱で構成された建築物を「10日前にダーイシュ（ISのアラビア語名の略称）が破壊したと、地元当局が伝えてきた」と述べました。また「アメリカのボストン大学の同僚から、ローマ時代の円形競技場のファサードが破壊されている様子を捉えた衛星写真を昨日（19日）受け取った」とも話しています。

ロシアの支援を受けたシリア政府軍が奪還する以前、ユネスコ＝国連教育科学文化機関の世界遺産に登録された遺跡があるパルミラで、ISは貴重な神殿や塔墓などの破壊を繰り返していました。

この事態を受け、ユネスコは同日、ISの破壊行為を「戦争犯罪」と非難する声明を発表しました。イリナ・ボコバ事務局長は「今回の破壊は新たな戦争犯罪であり、シリアの人々および人類全体にとって途方もない損失だ」と述べました。