(VOVWORLD) - 「夢を動かそう」というグループは、子ども向けの遊び場を設計・設置するという目的で2017年に設立されたボランティアグループです。
今年に入り、からだの不自由な子どもたちが夢の世界の中に溶け込むことを目指す新たな取り組みとして、同グループは、使用済みのタイヤなどを利用して「溶け込みの遊び場」をつくることにしました。
はじめての「溶け込みの遊び場」は今年の4月にハノイ市ハドン区ドンマイ地区にある第11居住地に設置されました。「夢を動かそう」というグループのボランティアの巧みな技術により、使用済みのタイヤや木材の板、ドラム缶などは色とりどりのシーソーや滑り台など安全な運動遊具となりました。
「溶け込みの遊び場」という名の通り、からだの不自由な子ども向けの遊び場は、これらの子どもたちが遊びの世界の中に溶け込むように設計・設置されます。この遊び場は普通の遊び場のように、ブランコ、シーソー、はしご、平均台、滑り台など、運動遊具が整備されているほか、目の不自由な子ども向けの風鈴も設置されています。もちろん、これらの遊び道具は車椅子に乗る子どもでも遊べるように設計されたものです。
ボランティアグループ「夢を動かそう」の担当者レ・ホアイ・ナムさんは、「溶け込みの遊び場」はからだの不自由な子どもへの関心とケアのほか、ゴミのリサイクルに対する社会の意識を高めることが狙いであると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「わたしたちのグループは遊び場をたくさんつくりましたが、ある住民に、その遊び場はからだの不自由な人も使用できるのかと聞かれました。この質問についてよく考え、からだの不自由な人向けの遊び場の設計と設置についていろいろ調べてきました。その結果、「溶け込みの遊び場」が誕生しました。この遊び場に設置されるブランコや平均台などは車椅子が乗れるように設計されています」
ボランティアグループ「夢を動かそう」の取り組みはコミュニティの応援と支持をえています。はじめて「溶け込みの遊び場」が設置されたハノイ市ハドン区ドンマイ地区にある第11居住地の住民は敷地を掃除したり、遊具にペンキを塗ったりするなど遊び場の設置を支援しました。住民の話です。
(テープ)
「ボランティアグループのメンバーらは夢中で遊び場を設置してくれました。今回はドンマイ地区ですが、これからは他の地区でも設置していただければと思います。からだの不自由な子どもが遊べるような環境をたくさんつくってほしいです」
「楽しいですね。この遊び場は子どもにとても有益です。土日は多くの子どもがここに遊びに来ています。からだの不自由な子どもはもちろん、普通の子どもも来ていて、みな一緒に遊んでいます」
ボランティアグループ「夢を動かそう」は遊び場の設置のほか、歌を教えたり、チーム作りをするなど、子ども向けの活動も行っています。からだの不自由な子どもをはじめ、だれもが楽しいひと時を過ごすようにということはグループの大きな希望です。グループのメンバーにとって子どもの笑顔は大きな励ましと原動力となっています。
(テープ)
「グループに参加して子どもの笑顔に元気をもらっています。特にからだの不自由な子どもを少しでも助けることができてうれしいです。グループの活動にさらに貢献したいと思います」
「子どもに笑顔を与えること、それが大人たちの役目です。特に、からだの不自由な子どもの場合、より以上のことをしなければなりません。彼らの立場になって、自由に遊ぶことができるようにする必要があります」
(テープ)現場の音
2017年に設立されたボランティアグループ「夢を動かそう」はこの6年間、山間部や離島をはじめ、全国各地に21か所の遊び場を設置しました。今年の4月、ハノイに設置されたからだの不自由な子ども向けの「溶け込みの遊び場」は22番目の遊び場です。
「子どもの遊び場・大人の夢」というスローガンを掲げている同グループはこれからも、からだの不自由な子どもをはじめ、健常な子どもも安全で有益な遊び場で遊べるように、より多くの遊び場の設計・設置を目指しています。遊び場で遊ぶ子供の笑顔は、同グループにとって貴重な贈り物、大きな励ましになっています。