(VOVWORLD) - 最近、蘭をテトの花として選んでいく家庭が増えつつあります。
ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。もうすぐベトナムの伝統的な旧正月テトがやってきますね。
ホアイ そうですね。テトを10日前に控えていますね。ソンさんはテトの準備はどうですか。
ソン そうですね。今回のテト、どんな花を飾ろうか考えているところです。毎年、桃の花を楽しんでいますけど、、、
ホアイ この間、ハノイ市の通りには、テトを迎えるにあたり家に飾る桃の花やユリなどの様々な花を売る娘たちが目立ってきましたね。
ソン そうですね。ベトナム北部では、テトに絶対欠かせないのが桃の花ですが、南部では、黄色い梅の花ですね。
ホアイ そうですね。でも、最近、蘭をテトの花として選んでいく家庭が増えつつあるそうですよ。
ソン 聞きました。私の妻の実家はこの3年、桃の花のほか、蘭も飾るようになりましたよ。私も今年のテトに蘭を飾るといいなぁと思います。では、今日のハノイ便りは、ベトナムの蘭とテトに蘭を楽しむ習慣についてお伝えします。
ホアイ はい。蘭はラン科の花ですが、種類はとても多岐にわたります。熱帯気候に属するベトナムは蘭の生息地です。ベトナムには、ファレノプシス属やデンドロビューム属など約140属の800種類のランがあるそうです。
ソン ランの名前は様々ですね。私は、日本で胡蝶蘭と言われているおなじみの花の名前しか覚えられていません。
ホアイ 私もそうですね。ベトナム語で、ランという花は日本語と同じく、ランとも発音されます。ベトナム人の女性にはランさんという名前が多いですね。ランの花を見ていると、女性によく似ているように思いますね。
ソン 私もそう思います。そのためか、ランの手入れは簡単ではないようです。
ホアイ 女性のようですからね。
ソン 難しい!ベトナム中部高原地帯テイグエン地方にある避暑地ダラットは、ランをはじめ、花の産地として有名ですが、栽培技術が進んだことにより、ランの成長にあまりふさわしくない地方でも、ランがよく栽培されています。
ホアイ ハノイ郊外にあるFloraというフラワーファームはランをはじめ、多くの花を植えています。ここから毎日、数十台の車にのったランが出荷されてゆきます。
ソン このファームの管理者によりますと、ランは花の女王とも言うべき種類であるため、特別なケアをすることが必要です。多くのランは、温室で植えられ、生まれたばかりの赤ちゃんのように大事にされなければならないということです。
ホアイ 何かささいなトラブルでも、ランは成長せず、求められる時期に咲かず、枯れてしまうことさえあります。特に、近年、旧正月テトにランを買って家を飾る人が増えつつあるので、テト前に、ランを美しく咲かせるのはランの農園にとってとても重要なコツとなっています。
ソン そして、お客さんの多様なニーズに応えるため、海外からいろいろなランが輸入され、植えられています。しかし、今年のテトはベトナムのランが愛用されているそうです。特に、森で採れたランは大人気です。ハノイ郊外にあるタンフォン農園のオーナー グエン・トィウ・フエさんの話です。
(テープ)
「森で採れたランは種類がたくさんあります。黄色い花もあれば、青い花と黒い花もあって大人気ですよ。しかし、高いです。一番高いのは一本だけで2千万ベトナムドン(日本円で10万円)ぐらいです。」
高額のランの鉢 |
ソン 高いですね。サラリーマンの給料だと、買えませんね。しかし、お金持ちにとって、テトにこうした森のランを飾るのは自分のプライドを高めることでしょう。そのお客さんの一人の話です。
(テープ)
「この農園は大きくて、きれいなランがたくさんあります。特に、森のランは種類が豊富で、とてもきれいです。テトに森のランを飾ると、家の中がパッと明るくなって、自然の味がより強くなるという感じがします。」
ソン 数十万円の鉢はもちろん、数百万円の森のランの鉢もあると聞きましたが、、、
ホアイ そうですね。しかし、手頃なランもたくさんあります。例えば、最も流行っている胡蝶蘭は普通のサイズなら、一本で20万ドン(日本円で千円)ぐらいです。
ソン お客さんの要求に応えるため、各農園は、数本の胡蝶蘭からなる鉢のほか、数十本の胡蝶蘭からなる鉢も用意しているそうです。
ホアイ ソンさんは数十本のランの鉢を買いますか。
ソン いやいや。とんでもない。予算は100万ドン(5千円)前後で、ランが数本あれば、十分ですよ。
ホアイ 近年、胡蝶蘭など自然の蘭のほか、モカラ属やアランダ属など、自然界には存在しない「人工属」、つまり人間が交配することによって作り出した種類も流行っているそうですね。
モカラ属の蘭 |
ソン そうですね。例えば、三つの種類から交配されたモカラ属の蘭は人気があります。この蘭は形も色も多様で、美しいです。繁殖も早いですし、抵抗力も高いです。そして、値段も手頃で、手入れも簡単なので、手に入れやすいですね。
ホアイ ホーチミン市の郊外はモカラ属の蘭の産地ですが、ホックモン県とクチ県だけでも、400世帯がモカラ属の蘭の栽培に従事していて、その面積は190ヘクタールにのぼっているそうです。
ソン ホーチミン市郊外で植えられるモカラ属の蘭の6割はハノイを始め、各地方に出荷されています。ホーチミン市クチ県で蘭を植えている農家グエン・ティ・ホン・ディエップさんの話です。
(テープ)
「今年のテトは、モカラ族の蘭の出荷が多いです。この蘭は経済的に効果があるので、多くの農家に植えられています。そして、今年の気候は蘭の成長にいいです。そのため、価格はちょっと安くなっています。」
ソン テトに花の女王と呼ばれる蘭の美しさを楽しむことができる人が増えますね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。 (曲)
「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムの蘭と、テトに蘭を楽しむ習慣についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。