ハノイ便りの時間がやってまいりました。

ホアイ　こんにちは。ホアイです。

フン　こんにちは。フンです。最近、ベトナム南部ドンナイ省にあるドンナイ生物圏保護区はユネスコ国連教育科学文化機関により、世界の生物圏保護区として認定されましたね。

ホアイ　そうですね。これにより、ユネスコから認定されたベトナムの生物圏保護区はこれで8件目になりますね。

フン　では。今日のこの時間はドンナイ生物圏保護区についてお話しましょうか？ホアイさん。

ホアイ　そうしましょう。ドンナイ生物圏保護区の総面積はおよそ千ヘクタールで、南部ドンナイ( Dong Nai) 省、ビンズオン( Binh Duong) 省、中部ラムドン( Lam Dong) 省、ビンフォク( Binh Phuoc)省、ダクノン( Dac Nong)省など5つの省にまたがっています。しかし、総面積のおよそ8割がドンナイ省にあるため、ドンナイ生物圏保護区と呼ばれるわけですね。

フン　そうです。科学者の研究によりますと、ドンナイ生物圏保護区には1400種の植物、ジャワサイやトラなどおよそ2000種類の稀少動物が生息し、その多くがベトナムのレッドブックに記載されています。

ホアイ　特にドンナイ生物圏保護区の中にはカトティン国立公園があります。これはベトナムのアマゾンとも呼ばれています。ドンナイ自然文化保護区のチャン・バン・ムイ( Tran Van Mui)責任者は次のように語りました。

（テープ）

「ドンナイ生物圏保護区はドンナイ省だけでなく、ベトナム、そして、世界の貴重な財産です。これは科学研究活動に貴重な資料を保存し、国内外の科学者、研究者、国際諸組織にとって生きた図書館」でもあります。そのほか、ドンナイ生物圏保護区はドンナイ河川の防護の役割を果たしています」

ホアイ　責任者のムイさんはこのように語りました。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。

はい。「森林のランの花」（Nhanh lan rung）をどうぞ。

フン　では話を続けましょう。現在、ドンナイ生物圏保護区にはかつての戦争中に有名になった革命根拠地もあるため、若い世代に対する革命的伝統を教育する場所となっています。そして、また、魅力的な生態観光地として知られているわけですね。

ホアイ　そうですね。ドンナイ生物圏保護区にはスオイリン( Suoi Linh)の 地下トンネルや南部共産党中央委員会の本部があります。

フン　そのほか、ドンナイ生物圏保護区にはステン族、チャウマー族などの地元の少数民族と北部から移住したターイ族、ヌン族、フモン族など多くの少数民族が居住していますね。

ホアイ　そうですね。ドンナイ生物圏保護区で最も人口が多い民族はチョロー族です。この少数民族は独自の文化を保っています。先ほどのムイさんは次のように語っています。

（テープ）

「チョロー族の人々の精神的生活は非常に豊かです。最近、ユネスコの援助により、ドンナイ生物圏保護区の管理委員会はこの少数民族の生活様式を研究するプロジェクトを実施しました。具体的にはこの民族の人々が環境に優しい生活様式をしていることを研究します」

ホアイ　ムイさんによると「ドンナイ生物圏保護区の範囲内に住んでいる住民は植林と森林の保護、防災などの訓練を受けています」ということです。そして、これらの住民の生活改善だけでなく、森林を守る立場で意識の向上にも寄与しています。ドンナイ省人民委員会のディン・コク・タイ( Dinh Quoc Thai) 委員長は次のように語りました。

（テープ）

「ドンナイ生物圏保護区は天然資源の保護と経済社会の発展とのバランスを保つという目標を実現するためのものです。これは人類にとって非常に重要な意義を持つものです。」

ホアイ　ドンナイ省人民委員会のディン・コク・タイ委員長の話でした。ドンナイ生物圏保護区が世界の生物圏保護区として認定されたのは科学面において大きな意義があり、環境保護、森林保護において、ベトナムの成果を示しているとも言えますね。

フン　そうですね。では。おしまいに、音楽を聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

「故郷の川の歌」( Loi con song que) をお送りしました。

ホアイ　リスナーのみなさん。今日のこの時間はドンナイ生物圏保護区についてご紹介致しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。