ハノイにちなんだポエム

(VOVWORLD) - 歴史の浮き沈みがありながらも、ハノイはいつも、ベトナムの詩歌の中心としての役割を果たします。

千年の歴史を持つベトナムの首都ハノイはいつも、ベトナム人の心の中の重要な位置を占めています。そのため、ハノイは音楽と文学にとって最も重要なテーマとなっています。ハノイにちなんだ歌がたくさんあるのに対し、ハノイにちなんだ詩も数えきれないほど多いです。

ハノイにちなんだポエム - ảnh 1ハノイ旧市街 

長い歴史を持つベトナムの詩は、たくさん種類があります。形式や内容、発祥などによって類別が異なりますが、形式によって8種類に類別されるのが一般的です。その中でも、最も長い歴史を持つのがベトナム独特の形式である六八体 (六音八音の交互による韻文)の詩です。そのほかは、四音、五音、六音の詩などです。そして、音の数を決めない「自由の詩」もあります。

こうしたベトナムの詩では、ハノイはいつも最も重要なテーマです。ベトナムの有名な詩人のほとんどはハノイにちなんだポエムを作りました。言語博士ド・アイン・ヴさんは次のように話しました。

(テープ)

「封建時代のハノイは、タンロン・ドンド・ドンクアン・ドンキンなど多くの名がありましたが、ポエムでよく出ていた名はタンロンです。20世紀に入ってもタンロンという名を使って詩を制作した詩人はまだ多かったです。また、現代詩は、ハノイからインスピレーションを得たものがたくさんあります。例えば、チン・フウさんのポエムはロマンチックなハノイを描くのに対し、リュー・クアン・ヴさんのポエムは、戦争時代のハノイを描写しています。」

封建時代においては、18世紀の後半から19世紀の前半までは、ベトナムの詩歌が最も発展した期間とされています。その中で、当時のハノイにちなんだポエムの多くはベトナム詩歌の歴史に名を残しています。中でも、19世紀の初めに制作されたBa Huyen Thanh Quanという有名な詩人の作品「タンロン城への郷愁」はハノイにちなんだ代表的なポエムとされています。

また、20世紀の戦争時代、つまり1945年から1975年までの期間には、ハノイにちなんだポエムは、戦争時にもハノイならではの美しさを描写したり、戦争中の苦しさを乗り越えて明るい将来を迎えるハノイを物語ったりしました。

そして、現在の新型コロナウイルス感染症との闘いにおけるハノイの姿を明らかにしたポエムがたくさん作られました。ハノイ作家協会のホアン・ニュアン・カム副会長は次のように語りました。

(テープ)

「フランスとの闘いでもアメリカとの闘いでも、ファム・ティエン・ズアトや、リュー・クアン・ヴ、バン・ベトなどのベテラン詩人はハノイにちなんだ素晴らしいポエムを作りました。1975年以降、幾人かの優れた詩人が出てきました。その中で、ファン・ヴさんの「君とハノイの通り」という有名なポエムはハノイの美しさを描写する長編叙事詩のようで、歌にしてもとても有名な歌となりました。その他、ド・チュン・ライさんが制作したポエム「このようなタンロンがあるよ」も多くの人の心をとりこにしました。そして、先ごろの新型コロナとの闘いでは、このテーマにしたポエムがたくさん作られました。当協会は10月10日のハノイ解放記念日にあたり、ハノイにちなんだ詩集を発行する予定です。」

歴史の浮き沈みがありながらも、ハノイはいつも、ベトナムの詩歌の中心としての役割を果たします。近年、ハノイにちなんだ有名なポエムが作られたほか、「ベトナムポエムの日」や「ベトナム文学PR国際会議」、「国際ポエムフェスティバル」などのイベントが毎年ハノイで行われています。

その中で、ポエムに関する最大イベントとして知られている「ベトナムポエムの日」は近年、ポエムをはじめ、文学に興味を持っている人たちはもちろん、多くの国と地域から、詩人、文学者、翻訳者、文学研究者、出版関係者なども大勢参加しました。イベントで参加者は、詩を詠む、聴く、創作するだけでなく、有名な詩人と交流することもできました。そして、詩の歴史や形式、内容などを詳しく説明するセミナーがたくさんある『ポエムの日』は、子どもでも詩をよく理解できるよい活動であると評されています。

こうしたイベントにより、近年、ハノイの詩歌は著しい発展を見せています。詩歌に興味を持つ人が増えつつあるとともに、ハノイ出身の若手詩人で出現しています。ハノイ作家協会のグエン・ベト・チエン副会長は次のように語りました。

(テープ)

「現代文学の流れにおいては、ハノイの詩歌は著しい成長を見せており、読者の心をとらえるような取り組みが浮き彫りとなっています。ハノイの詩人はベトナムの詩歌に新しい色彩を与えており、新しい時代におけるベトナム文学の豊かさに大いに貢献していると言えるでしょう。」

ハノイは、ベトナムの政治・経済・文化の中心として知られていますが、長い間、ベトナム詩歌の中心としての役割も果たしています。こうした役割はこれからも維持され、ハノイの特徴になることでしょう。

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