(VOVWORLD) -320年以上の歴史を持つホーチミン市は現在、都市の文化遺産が多く保存されています。これらの遺産は観光資源として利用する潜在力となっています。
320年以上の歴史を持つホーチミン市は現在、都市の文化遺産が多く保存されています。これらの遺産は観光資源として利用する潜在力となっています。また、これはホーチミン市ならではの文化価値を維持、保存することに寄与しています。
ベンタイン市場 |
統計によりますと、現在、ホーチミン市では172ヶ所の遺跡があります。これらの遺跡は文化、歴史、建築の遺産で、ホーチミン市の形成、発展の道のりを示しています。その中の40ヶ所は建築物として、あるいは観光スポットとして利用されています。
歴史遺跡として、トンニャット会堂、クチ地下トンネル、ニャロン港などがあります。その他、ホーチミン市では多くの寺院があり、その中には、100年の歴史がある寺院も含まれています。有形文化遺産の他、ホーチミン市は多くの無形文化遺産も保存されています。
ホーチミン市の代表的な遺産として観光客がよく訪れるところの中にはホーチミン市人民委員会庁舎、聖母マリア教会、市民劇場などがあります。その中で、「ホーチミン市人民委員会庁舎」は街のメインストリートのグエンフエ通りの出発点にあります。1908年のフランス統治時代に建てられたホーチミン市人民委員会庁舎は、パリの市庁舎をベースにして建てられているので、建物自体が美しいです。
一方、ホーチミン市内の中心に建つネオゴシック様式のカトリック教会の「聖母マリア教会」は高さ60メートルで、19世紀末に建てられました。レンガ造りのこの教会は、ホーチミン市のシンボル的存在で、観光客だけでなく、ベトナム人のウェディング・カップルの撮影スポットになっています。周辺はプチパリとも呼ばれるほどフランスの建築文化の面影が残る「市民劇場」があります。
1899年の建設で、かつてはオペラハウスとして使用されましたが、2000年に改築を終え、現在の美しいピンクの建物になりました。また、ホーチミン市の有名な歴史遺跡として「統一会堂」を見逃すことはできません。
南ベトナム政権時代の旧大統領官邸で、地下は軍事施設として使われていた場所になります。事実上、ベトナム戦争終結がなされた場所であるため、非常に歴史的な場所となっています。
ホーチミン市観光局によりますと、2019年、同市を訪れた外国人観光客の数は延べ860万人、国内観光客の数はおよそ3270万に達しました。ホーチミン市に足を運ぶ観光客はよくサイゴン中央郵便局、ホーチミン市民劇場、サイゴン大聖堂、人民委員会庁舎、ホーチミン市美術博物館、ベンタイン市場などを訪れます。
ホーチミン市の歴史遺跡を訪れる観光客がまだ少ないです。ホーチミン市を訪れた時、北部クアンニン省の観光客であるグェン・ティ・ホン・フォン( Nguyen Thi Hong Phuong) さんは同市の歴史遺跡を訪れたいですが、これらの遺跡に関する情報がないからできなかったです。フォンさんの話です。
(テープ)
「ホーチミン市へ行く前、インターネットで、この都市の歴史遺跡に関する情報を検索しましたが、あまりありませんでした。観光客がホーチミン市の歴史遺跡をよく知ってもらうために、これらの歴史遺跡に関する情報をインターネットなどで幅広く紹介すればよいと思います」
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の環境・遺産局の専門家であるグエン・ドゥク・ヒエップ博士はこれまでサイゴン・チョロンに関する3部の研究作品を編纂しました。ヒエップ博士によりますと、ホーチミン市にある各遺跡をつなぐため最もよい方法はそれぞれの遺跡にちなんだストリーを作るということです。これと同時に、それぞれの遺跡でその遺跡に関する簡単な情報を紹介する看板を付けるということです。
(テープ)
「有名人が訪れた遺跡があれば、そのことを知らせる看板を付けることができます。世界のいくつかの遺跡でもその方法をやっています。例えば、フランスの多くの遺跡には“昔、ホーチミン主席がここに住んていた」という看板があります。」
文化、歴史、建築などの分野における遺産は再度作り出すことができないものです。また、遺産は一人だけのものではなく、社会全体のものであることから、遺産の価値を活用するため、文化、観光分野における管理者が連携する必要があります。これにより、遺産は観光発展の潜在力にとどまらず、観光客を魅了する見どころになるようになります。
以上、ホーチミン市の遺産の維持、保存とその価値の発揮についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで