山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。今日のハノイ便りは、ベトナム中部ホイアンについての話題です。だ
山崎 ホイアンについては、前にもハノイ便りでお伝えしましたね。ユネスコの世界文化遺産に登録されているホイアンの古い町並みの保存活動についてお伝えしました。
ソン そうですね。山崎さんはホイアンへ行ったことはありますか?
山崎 ないんです。周りの日本人からもいいよーと勧められているので、次の連休には家族で行きたいなと思ってます。ソンさんは?
ソン 2回行きました。1回目は旅行、2回目は仕事だったんですが、大好きなところです。
山崎 大好きなところ。
ソン はい。旧市街は落ち着いて散策できますし、海水浴もできるんです。
ホイアンの旧市街
山崎 そのソンさんのコメントはとてもわかりやすいですね。私は行ったことがないですけど、ホイアンをシンプルにわかりやすく説明していると思います。世界遺産に登録されていることもあって、世界的にも有名な観光地ですよね。
ソン はい。16世紀末以降、ポルトガル人、オランダ人、中国人、日本人が来航して、国際貿易港としてホイアンは栄えました。大規模な日本人町や中国人街も作られました。
山崎 そういった建築様式が、趣のある古い町並みを作っているんですね。先ほどソンさんが言っていた散歩にいい旧市街ですね。
ソン そうです。時代とともに様々な文化の影響を受けたホイアンの景観を見に、世界各国から多数の旅行者が訪れています。
山崎 日本人町が作られたのは、朱印船貿易が盛んだった17世紀頃ですね。今でも、日本人が作ったと言われる「日本橋」が残っているんですよね。
ソン はい。観光名所になっていますね。他に日本人墓地もありますし、肥前磁器もホイアンで出土しているんですよ。
山崎 思ったより日本と関係が深いですね。ホイアンの旧市街の家は、京都の町屋を思わせるような作りなんですよね。間口は狭くて奥に長く続いていて、きれいな中庭があるそうです。
ソン はい。ホイアンは異国情緒あふれていて、過去と現在が同居する町でもあると言われています。こういう雰囲気が魅力なんですね。
山崎 そして、ソンさんが初めに言っていたように、海もあるんですね。
ソン そうなんです。白砂のビーチリゾートもあります。食べ物もおいしいですよ。
山崎 どんなものがありますか?
ソン ホイアン名物の1つに、ホワイトローズというものがあります。
山崎 ホワイトローズ。白いバラ、ですか?食べ物ですよね?
ソン はい。米粉で作った皮に海老のすり身を詰めて蒸したものです。形が白いバラに似ているので、その名前になっています。
山崎 なるほど。飲茶の海老餃子みたいな感じでしょうか。
ソン そうですね。そして、ホイアンは買い物でも、多くの観光客を引きつけているんですよ。
山崎 買い物ですか?ホイアンでの買い物というのは初めて聞きました。何が有名なんですか?
ソン 服のオーダーメードです。
ホイアンのテーラー
山崎 それは意外でした。ハノイやホーチミンでもアオザイをオーダーして作ったり、他の衣類のオーダーも外国人には人気です。ホイアンでもあるんですね。
ソン はい。ホイアンといえばオーダーメードと言われるほどテーラー、仕立屋の数が多いんです。人口12万人のこの町に、およそ400のテーラーがあるそうです。
山崎 400?多いですね。激戦区じゃないですか?
ソン そうですね。そのほとんどが、観光客向けです。昨年、ホイアンを訪れたベトナム国内外の観光客は180万人に上りました。ホイアンみやげ、また記念品としてオーダーメードで服を注文する観光客が結構いるんです。
山崎 やはり、オーダーはアオザイが人気ですか?
ソン スーツやワンピースなどもよく注文が入るようです。ホイアンのオーダーメードの特徴は、その早さです。急げば、翌朝までにはできるそうです。普通のシャツなら4時間でできるということで、忙しい観光客でもオーダーメードが楽しめます。
山崎 それは便利ですね。質はどうですか?
ソン いいですよ。今やオーダーメードは、ホイアン観光の目玉になっています。服を注文したオーストラリア人観光客(Melissa Viny)のコメントです。
(テープ)
「テーラーのサービスはいいですね。職人は手際が素晴らしいと思います。ここでのオーダーメードに満足しています。アオザイとシャツとジャケットを頼んだんですが、完璧です。」
お客さんのサイズを測っているテーラー
ソン ホイアンの仕立屋は、大型店と家族経営の小規模な店の2種類があります。一つご紹介すると、千平方メートルの敷地に建てられた古い家に、広々とした庭があって、落ち着いた雰囲気が特徴という大型店があります。200人の職人がいて、急ぎの注文でも対応できます。
山崎 それはすごいですね。工場ですね。
ソン そうですね。大型店は、インターネットでの注文も受け付けているそうです。
山崎 確かに。今は何でもネットショッピングできますからね。
ソン はい。大型店のウェブ担当者(Nguyen Thi Tuyet Linh)によりますと、一度来店したことがある顧客のサイズはデータ保存されるそうです。
山崎 それは便利ですね。次回には、またサイズを測らなくても、すぐ制作に取り掛かれますね。
ソン そうなんです。ウェブサイトでは、サイズの測り方の詳しい説明もあるので、来店しなくても、オーダーメードができるということです。ウェブ担当者の話です。
(テープ)
「国内外のお客さまが簡単にお使いになれるように、ホームページを工夫しています。これから、インターネットによるオーダーを進めていく方針で、ホイアンのオーダーメードをさらに広めていきたいと思っています。」
高級なテーラー
ソン 値段は大型店の方が小さい店よりも高めですが、普通のシャツなら日本円で2000円ぐらいなので、手頃だと言われています。
山崎 質もよくて、値段も手頃、すぐにできる、というのであれば、人気なのもうなずけます。年間、ネット注文で3万着のオーダーを受けているという会社社長(チャン・タイ・ゾ)の話です。
(テープ)
「うちは、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーク、それから、旅行ガイドのサイトを活用して、市場を開拓しています。最近、お客さまは、旅行に出かける前に、インターネットで情報収集しています。現代社会の便利なところを使って、うちの会社が繁盛するだけでなくて、ホイアンの町自体も昔、栄えたようになってくれたらいいと思っています。」
山崎 ホイアンは、ファッションタウンにもなっているんですね。
ソン そうですね。ホイアンの仕立屋は、重要な観光要素になっていますね。17世紀や18世紀頃には、ホイアンから、多くのシルクを乗せた船が出港しました。現代でも、ホイアンのテーラーは、ホイアンと世界を結ぶ役割を果たしているのかもしれません。
山崎 ソンさん、きれいなまとめですね。では、おしまいに、一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、古い町並みがユネスコの世界文化遺産に登録されているベトナム中部ホイアンでできる衣類のオーダーメードについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。