ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
フン こんにちは。フンです。ホアイさん。最近、ハノイ市内バーディン地区のチュクバク湖畔には「国営飲食店37番地」という名前の店がありますね。
ホアイ そうですね。この店は派手な看板や鮮やかな飾りはなく、素朴のものですが、多くの人々の注目を集めていますね。
フン そうですね。ですから、この店で食事をすると、まるで戦後ベトナムの、「バオカップ(国家丸抱え)」時代にタイムスリップしたような感じが体験できますね。
ホアイ そうですね。今日のこの時間はこの飲食店に行って見ましょうか。フン さん。
フン それはいいですね。
現場の音
この飲食店は80平米しかありませんが、ベトナム戦争終結後からドイモイ政策が軌道に乗るまでの1990年代初頭にかけての時期は、「バオカップ(国家丸抱え)」時代の空間が実演されています。
ホアイ 飲食店の壁にはトンニャト社の自転車や鉄でできた茶碗やコップなどが飾られています。多くのベトナム人はこれを見ると、配給を受けていたバオカップ時代を思い出すでしょうね。
フン 私も、そうです。これらの品物を見ると、子供のころの思い出が浮かんできます。この飲食店の持ち主は今年50歳になったファム・クアン・ミンさんです。
ホアイ ミンさんは長年、こういう飲食店を開店しようと思っていましたが、その考えを実行するまで、数年かかりで、バオカップ時代に使用されていた日用品を収集しました。ミンさんは次のように語りました。
(テープ)
「長い間、この店を開店したかったが、バオカップ時代に使用されていた品物の収集に時間がかかり、やっと今ごろ、開店できました。これらの品物は友達からもらったものや、私が買ったものです。この飲食店の開店でもっとも難しかったことはバオカップ時代のイメージを作り出すことでした」
ホアイ ミンさんの話でした。では、この辺でティタームにして、歌をお聞きいただきましょう。
フン 。。。。歌をどうぞ。
ホアイ では、話しを続けましょう。この飲食店にはベトナム経済が困難な時期に、ベトナムの一般人民がよく食べられた料理は欠かせません。例えば、さつま芋の炊き込みご飯、肉ないフォー、肉ないベトナム風お雑煮 Banh Ducなどですね。
フン そうですね。面白いことは今日ベトナムであまり食べられていないこれらの料理が数十年前から作られたアルミ製や陶器の茶碗に盛られるということです。
ホアイ 特に、バオカップ時代と同じように、お勘定も配給切符で行われています。これらの配給切符を買うため、お客さんは列を作らなければなりません。ミンさんは次のように語りました。
(テープ)
「お客さんから好評を受けました。ある日、80歳の父親と60歳の息子の二人づれが私の飲食店に行き食事をしました。彼らはかつてのバオカップ時代の思い出を熱心に語ってくれました」
ホアイ ミンさんの話でした。この飲食店はおよそ1ヶ月前に開店したばかりですが、いつも満席で空席がない状態です。お客さんはお年寄りのほか、若者や外国人もいます。中部ブォンマートート市の市民レー・タン ( Le Tan)さんはハノイに出張した時、この飲食店に立ち寄りました。タンさんの話です。
(テープ)
「両親がバオカップ時代の生活をよく語ってくれましたが、その生活は具体的にどうなのかよく想像できませんでした。しかし、この飲食店に来て、やっとそれらのことが詳しく理解できるようになりました。その時代の生活は困難でしたが、人々はみな頑張りました。ここで食事ができ、感激しています。この飲食店での料理は今のように調味料が十分に使わないですが、依然として美味しくて気にいっています。ハノイに行ったら、もう一度行きたいです」
ホアイ レー・タンさんの話でした。この飲食店のオーナーであるミンさんは店はいつもお客さんで込んでいますが、今、経営規模を拡大するつもりはありません。でも。今後も、バオカップ時代によく使われた品々を引き続き収集する」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「私はこの飲食店を通じて、私たちがかつての困難な時期を乗り越えて、現在のように豊かな生活を送っているから、今日の若い世代はより有利な条件に恵まれているのだから、私たちより多くの成功を収めるようにというメッセージを送りたいのです」
ホアイ この店のオーナーのミンさんの話でした。現在、ドイモイ事業の実施により、ベトナムは大きく移り変わっていますが、バオカップ時代の困難な生活を忘れることはできませんね。
フン そうですね。では。おしまいに、一曲お聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
ホアイ 「 故郷の歌」 でした。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はバオカップ時代の記憶を思い出させる「37番地の国営飲食店」についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。