山間部の子どもが安全で楽しい夏休みを楽しむための取り組み

(VOVWORLD) - 今年の夏休み、ハノイから北へ180キロメートル離れたところにあるバクカン省バクトン県の子どもたちは例年と違い、水泳や卓球、民謡「テン」と琴「ティン」などいろいろな習い事をしており、夏休みの楽しいひと時を過ごしています。これらの習い事は、山間部の子どもが安全で楽しい夏休みを楽しむための地元の青年同盟の取り組みです。
ベトナムでは、夏になると、子どもは6月から9月までの3か月間、学校を休んで夏休みを楽しみます。都市部の子どもはいろいろな遊びや習い事を通じて楽しい夏休みを楽しむことができるのに対し、インフラが整備されていない山間部の子どもは習い事をするどころか、集まって子どもの一般的な遊びをするだけです。例えば、村の近くにある小さな丘に登って上から下に滑る遊びや、谷川での水遊びなどです。しかし、これらの遊びは危険なところがあり、けがをする子どもたちが出たほか、溺死した子どももいました。そのため、山間部の子どもに安全に遊べる環境を与えることは差し迫った課題となっています。
山間部の子どもが安全で楽しい夏休みを楽しむための取り組み - ảnh 1ビーフォン村の水泳教室

この2年、夏休みにバクカン省バクトン県ビーフォン村の青年同盟は村の近くにある滝で村の子どもを対象とした水泳教室を無料で開きました。この教室に参加した子どもたちは基本的な水泳技術のほか、溺死予防策とその時の応急手当に関するスキルも身につけられます。村にはプールがないため、滝で水泳教室を開かざるを得なかったものの、いろいろな調査により、水泳を教えるのに適した安全な場所を見つけました。ビーフォン村の青年同盟委員会のゴック・ヒュー・フアン書記は次のように語りました。

(テープ) 

「教室で水泳を教える人は、泳ぎが上手な青年同盟委員会の副委員長と、村の治安担当者です。夏休みではない時は週末に教室を開きますが、夏休みには毎日村の各集落の子どもに順番に教えています」

ビーフォン村の子どもにとって夏休みの最大の楽しみは滝での水遊びです。しかし、子どものこの遊びには大人たちが心配をしていました。この2年、青年同盟の水泳教室により、子どもたちは安全な場所で水遊びをするとともに、泳げるようになりました。村人のチエウ・ティ・ドゥクさんの話です。

(テープ)

「夏に、子どもたちが滝に行って水遊びをするため、私たちは事故などを心配していましたが、青年同盟の水泳教室により、子どもたちは泳げるようになりました。安心しています」 

山間部の子どもが安全で楽しい夏休みを楽しむための取り組み - ảnh 2フートン町の卓球教室

一方、バクトン県フートン町では、今年の夏休みに、子どもを対象とする無料の卓球教室が開かれています。この教室は、卓球選手であるフィン・ティエン・タンさんが自費で場所を借りて用具を購入し、直接教えているものです。

(テープ)現場の音

毎日の夕暮れ、40人あまりの子どもが集まり、卓球を夢中になって練習しています。タンさんは、卓球に対するこの町の子どもたちの関心の高さに驚き、将来プロ選手になれる子どももいるとしています。タンさんの話です。

(テープ)

「教室がこんなに成功するとは思わなかったです。本当に驚きました。私は、都市部の子どもよりデメリットの多い山間部の子どもに卓球を教え、デメリットを減らそうと思ってこの教室を開くことにしました。また、数日後、ここから数キロメートル離れたところにあるクアンハー村にも、同様の教室を開く予定です」

予算が限られているため、教室は暑いのですが、その暑さでも子どもたちは夢中になって練習をしています。ラム君の話です。

(テープ)

「こんな暑さの中でも、先生は私たちの練習を熱心に指導してくれています。先生はいつも、私たちのデメリットを心配していて、私たちがよい施設で練習するためにどうすればいいのかを 考えています。私はこの卓球教室に参加することができてうれしいです。卓球を練習することによってゲームなどから離れることができました」

バクトン県青年同盟委員会のグエン・ブー・マオ書記は、同県の各村の状況に基づいて子どもが夏休みを楽しむような活動を引き続き行うとし、次のように語りました

(テープ)

「私たちは、水泳と溺死予防策をはじめ、子どものスキルアップを目指す活動に集中しています。また、卓球や、民謡「テン」と琴「ティン」などの習い事を教えています。これからも、コミュニティのリソースを動員・活用し、子どもが安全に遊ぶ環境をつくる方針です」

バクカン省バクトン県をはじめとする山間部のインフラはまだ整備されていませんが、子どもが安全に遊ぶような環境をつくることは社会全体の注目を集めているといえるでしょう。

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