「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人ご夫妻

ハノイ便りの時間がやってまいりました。

ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。

アン こんにちは。アンです。アメリカのワシントン郊外に在住しているベトナム人で「庭の市場」という所に立ち寄ったことがない人はいないでしょうね。

ホアイ たぶん、ないでしょうね。これはアメリカで、空芯菜 (rau muong)、モロヘイヤ(rau day)、香菜などベトナムの野菜を買える唯一の所ですからね。今日のこの時間はこの「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人ご夫妻についてご紹介しましょうか?

アン ぜひ知りたいですね。

「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人ご夫妻 - ảnh 1

現場の音

朝早くから、70歳をすぎたアメリカ人男性のジーンさんが古い農機具で、土を耕しています。彼は「これはこの30年間の朝メシ前の仕事である」と言っています。畑を耕してから、大豆粕を入れて、次の種まきの準備をしています。でも、買い物客の呼ぶ声を聞こえると、機械を止めて、野菜を売ります。

ホアイ これはワシントン市とその周辺に在住しているベトナム人コミュニティによく知られた「庭の市場」のオーナーの日課です。市場と言ってもベトナム北部フンイェン省出身の奥さんゴ・ティ・ボック( Ngo Thi Boc)さんとアメリカ人ジーンさん二人の菜園ですね。

アン そうです。ワシントン在住ベトナム人はベトナムの野菜が食べたくなった時、この「庭の市場」に行けば、ざまざまな野菜が買えます。アメリカでも他にアジアの市場でもベトナム野菜は売られていますが、種類が少ない上、新鮮ではありませんね。

ホアイ そうなんですね。お客さんは庭のオーナーがすでに店に並べた野菜を買いたくない時は庭まで行って、自分で野菜を採ることができます。ですから、ボックさん夫妻の庭には一日中、野菜を求めるお客で賑わっていますから、「庭の市場」と言っても過言ではないでしょうね。

アン そうですね。お客さんの中にはベトナム人だけでなく、中国人、ヨーロッパ人などもいます。アメリカのバージニア州の住民の一人であるAnia Sowinskaさんは次のように語りました。

(テープ)

「この「庭の市場」が好きです。それはこの市場が私の家の近いことと、他の店にない野菜が買えるということです。野菜畑に行き、勝手に野菜を選べるんですから、本当にいいですね。ここで育った野菜は新鮮で、味もいいです」

アン Ania Sowinskaさんの話でした。では、この辺でちょっとティタイムにして歌をお聴きいただきましょう。

「故郷の姿」( Mot thoang que huong) をお送りしました。

話を続けましょう。

「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人ご夫妻 - ảnh 2

アン ボック夫妻は二人とも、熱心に園芸に取り組んでいます。夫は土を耕したり、苗植(なえう)えをしたりすれば、夫人は大豆粕を取りに行ったり、野菜を収穫したりします。ジーンさんはあまり語りませんが、奥さんのボックさんはよく話しています。ボックさんは自分の出身地について、次のように語りました。

(テープ)

「父はかつてフランス軍の元で働いていました。ハノイが解放されたので1954年に戦争が終わり、私の一家は南部に移動しました。その時、私は7歳でした。1968年になると、多くのアメリカ兵士はベトナムにやって来て、現地スタッフ募集の求人広告を新聞に出しました。私はアメリカ人が住んでいるホテルの電話受付係として応募し、仕事につきました」

アン ボックさんはまさか自分がアメリカ人と結婚するとは思ってもみませんでしたが、運命出会いにより、アメリカ人のジーンさんと結婚しました。1975年、ボックさんは夫とともにアメリカに渡りました。当初は主婦として生活を送っていましたが、偶然、縫製工場の仕事を見つけました。野菜の栽培もそれから始めました。ボックさんは次のように語りました。

(テープ)

「縫製工場で仕事をしていた時、工場に勤めていた他のベトナム人が「貴方の家には広い庭があるから、なぜ野菜をつくらないのか」と勧めました。私は野菜をつくることなんてまったく知らない」と答えましたが、彼らは「とても簡単だよ」と言いました。その後、私は彼らの勧めにしたがって野菜づくりを始めました。夫は野菜づくりが好きですから、週末になると、私と共に野菜の世話をしました。私は毎日野菜を採って、縫製工場に行き、そこに務めている人々に配りました」

「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人ご夫妻 - ảnh 3

アン 野菜を買うお客さんは日増しに多くなり、ボックさんは野菜の栽培のため、縫製工場の仕事をやめました。1980年、ボックさん夫妻は1ヘクタールの土地を買い、そこで野菜づくりを始めました。ボックさんはアメリカでは野菜は足りないし、味もよくない。人々は私が植えた野菜が好きですから、疲れは感じていない」と述べ、次のように語りました。

(テープ)

「数十年にわたり野菜づくりをしてきました。毎日、朝3時から夜11時まで仕事をしてきました。一日中仕事をしましたが、疲れは感じません。野菜の成長を見るのが嬉しいのです」

アン 毎年11月になるとワシントンDCは寒くなり、野菜栽培ができなくなった時、ボックさん夫婦はアメリカの南部にあるフロリダ州にある自宅に行って、翌年の4月まで暮らします。ですから、ボックさんたちのお客さんはまた新鮮な野菜を味わうため、次の年の四月まで待つわけですね。

ホアイ そうですね。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

「土と木との愛」( Tinh cay va dat) をお送りしました。

リスナーのみなさん。今日のこの時間はアメリカのワシントン郊外で「庭の市場」を運営しているアメリカ人とベトナム人夫妻についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。  

 Chao cac ban。

 

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