この10年間で、ズンさんが創設した「渇望」という名の基金は全国30の省や市に住む子供たち400人が学校に通えるよう支援してきました。

10年前、ズンさんと出会うまえに、ハノイ郊外にあるタックタット県に住んでいた少女グエン・テイ・トゥンさんは非常に貧困な生活を送っていました。トゥンさんのお母さんと姉はいずれも精神疾患があったため、食べる物もありませんでした。

当時、トゥンさんは中学校1年生でしたが、まじめに家事をしながら、学習では優秀な成績を収めました。トゥンさんの苦境を理解したズンさんはトゥンさんの学費と生活費を支援してきました。`ズンさんと「渇望」基金の支援により、トゥンさんは生活を励みました。

現在、トゥンさんはアメリカのフルブライト大学ベトナム校の心理学部の3年生になりました。また、トゥンさんはアメリカのエキドナギビング基金が後援した『Future For Women』という起業する女性を育成するプログラムに最少年者として参加しています。トゥンさんの話です。

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「以前、わたしは恥ずかしがり屋でした。高校1年生になってはじめてズンさんと話ができるようになりました。ですから、ズンさんはわたしとよく話しをして、わたしはズンさんを家族のひとりのように感じています。この感情はわたしに足りないものでした。私がこれまでに達成した成果は 、ズンさんと「渇望」基金の支援が欠かせませんでした。ズンさんは私が自分の夢を実現するために最も有利な条件を整えてくれました」

トゥンさんはズンさんと「渇望」基金の支援を受けた全国で貧困な生活を送っている子供たち400人のうちの一人です。この10年間、ズンさんは全国の多くの支援者の支援と応援を受けてきました。長年、ズンさんとともに支援活動を行ってきたハノイの女性の一人グェト・ミンさんは次のように語りました。

（テープ）                

「こうした子供たちと出会った時、だれもが悲しみにうちひしがれ、恥ずかしがり屋でした。しかし、私たちの支援を受けて、彼らが一人前となり、「渇望」という基金の活動に参加したり、幸運に恵まれていないほかの子供たちを支援したりしました。これらの光景を目の当たりにし、本当に感激しています。苦境にある子どもたちに信念を与えると、彼らは強い決意を持って生活できるようになるのです」

ズンさんと「渇望」基金の支援を受けていた子供たちはひとりの母親から生まれたものではありませんが、いずれも一つの家族のように互いに助け合ったり、愛し合ったりしています。

注目すべきことはこれらの子供たちが苦境を乗り越えて、生活に一定の成功を収めるといずれも「渇望」基金にも貢献していることです。その一人は今ベトナムのブリティッシュ大学に在学しているグエン・テイ・オアンさんです。オアンさんの話です。

（テープ）          

「私はズンさんの使命を理解してから、幸運に恵まれない他の子どもたちの面倒をみるため、ズンさんとともにボランティア活動を行いました。現在、私は「渇望」基金の支援を受けている子供5人の面倒をみてます。毎月、私は彼らに電話をかけて、家族のように話し合いました。私と同じように、この子どもたちはいずれも愛情が不足している生活を送っています。今後、大学を卒業して就職し、収入が得られるようになったら、ズンさんのように『渇望』基金の活動に参加することを望んでいます」

ズンさんは「現在、北部丘陵地帯フート省タイントゥイ県で「渇望」の共同の家を建設している。今後、幸運に恵まれていない子供たちはここに収容され、愛情の中で生活を送ることになる」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）                                

「 『渇望』基金がこれまでに達成した成果は多くの人々が力を合わせたことによるものです。共同体の力により、幸運に恵まれない子供たちがよい生活を送るようになり、近い将来、この子どもたちが社会に貢献できるようになります。今後も引き続き『渇望』基金を運営し、社会の中でよりよい市民を育成できるように頑張ります。また、『渇望』基金のようなモデルを全国に広げたいのです」

ズンさんは支援者、およびボランティアたちと協力して、幸運に恵まれない子供たちに力と希望を与えてきました。『渇望』共同の家の中で、今後、貧困な生活をおくっているほかの多くの子どもたちが学習と幸福を享受するチャンスを手に入れるよう希望しています。