フランス在住ベトナム人篤志家ゴ・ティエン・ホンさん

「この60年、私はいつも母国のことを考えています。フランスに住んでいますが、ベトナム国籍のままです。いつでもベトナムに戻れます。」

これは、フランス南部のトゥールーズ市に住むゴ・ティエン・ホン(Ngo Thien Hon)さんの話です。母国に対する熱い思いで、この30年、ホンさんはベトナム語を話すフランス人と、フランスのベトナム人コミュニティーのために、ベトナム語でラジオ番組を制作しています。

フランス在住ベトナム人篤志家ゴ・ティエン・ホンさん - ảnh 1

                   ホンさんの夫妻


ベトナム南部のソクチャン省出身のホンさんは、幼い頃から、家族と共にフランスで生活してきました。大学を卒業後、教員として過ごした

ホンさんは、ベトナムとアメリカ帝国主義者との戦いを支持するため、反戦運動に積極的に参加しました。ベトナム戦争が勃発したため、フランス政府はフランス在住の外国人にフランス国籍の取得を求めましたが、ホンさんはベトナム国籍を変えませんでした。ホンさんは次のように話しています。

(テープ)

「1975年、ベトナム南部が解放されましたが、1973年からフランス国籍の取得を言われてきました。そうしないと、仕事がなくなります。しかし、私はベトナム国籍のままでいると決めました。これは母国に対する、私の忠誠心なんです。」

1981年、フランスは政府の統制のないラジオ番組を制作することを許可しました。1982年、フランス人の支援を受けて、フランス在住のベトナム人のためのトゥールーズラジオが始まりました。当時の番組は週1回で、1時間の放送でした。番組を作るため、様々な問題に直面したホンさんは、当時を次のように語ります。

(テープ)

「ラジオ番組が1年半ぐらい続いた頃です。編集担当のスタッフがアメリカに渡ったり、結婚退職したりと、人がいなくなり、私一人で番組を作っていました。とても大変でしたが、なんとか番組は続けました。当時、フランス南部の地域では、フランス在住のベトナム人のための放送は、私の番組だけでした。」

リスナーに、より興味深く聴いてもらうため、ホンさんは番組を2つのコーナーに分けていました。ベトナムに関するニュースのコーナーと、解説や文化、社会、観光地を紹介するコーナーです。インターネットも駆使して、ベトナム国内の主なメディアの情報を参考に、番組作りを行いました。現在は、フランス人とベトナム語が話せないフランス在住ベトナム人のために、10分間の番組を制作しています。

(テープ)

「当初、私はベトナムに関するニュースを集めるため、他のラジオ番組を聞いて、それをもとに原稿を書きました。そういう方法で番組を作って、何年か経ってから、インターネットで情報収集ができるようになりました。格段に便利になりましたね。」

今年79歳になったホンさんですが、常に母国のことを考えています。今は、ベトナムの視覚障害者の目を手術するプロジェクトのため、「フランス・ベトナム支援協会」の活動に積極的に参加しています。

この協会の支援を通じて、ベトナムの視覚障害者およそ100人が、手術を受けることができました。また、ホンさんは、フランス在住ベトナム人の若い世代に、ベトナム語のクラスを開く予定です。ホンさんのこれらの活動すべてが、ベトナムに対する愛情なのです

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