ラジオ番組の詩を朗読したチャン・ティ・トゥエットさん
トゥエットさん
60~70年代に詩を愛した各世代のベトナム人にとってベトナムの声放送局の「詩の声」という番組の中に出演していた詩の朗読人チャン・ティ・トゥエットさんの声は今でも覚えています。トゥエットさんは表情豊かで叙情的な声で、多くの詩人の詩を愛国の炎にしました。こうした理由から先日、トゥエットさんに「人民芸術家」称号が授与されました。
(詩を朗読する声)
トゥエットさんは今年80歳を超えていますが、時々、昔のままの声で詩を朗読します。さらに、彼女は故郷、ホーチミン主席、VOVベトナムの声放送局などに因んだ詩を創作してきました。VOVの電波を通して、彼女の声は国内外のリスナーによく知られるようになりました。トゥエットさんのご主人グェン・ヌ・テェンさんは妻の活躍ぶりについて次のように振り返っています。
(テープ)
「ベトナムの著名な二人の詩人であるスアン・ジエウとク・フィ・カンは、生前、奥さんが詩を朗読する声が好きで、私たちの家を訪れました。当時、私たちの家は古いガレージハウスの中にあり、雨で濡れていました。そんな時に、有名な詩人が訪れて、大変感動したものです。奥さんは、他の人々と一緒に、アメリカ帝国主義との戦いに積極的に寄与していました。」
トゥエットさんが読んだ詩を聴いて、人々はその詩がさらに好きになったと多くの新聞からトゥエットさんの声を高く評価しています。この声は、子どもから、大人、そしてお年寄りになった人まで多くの人々の心を揺さぶりました。ベトナム作曲家協会のチャン・ムイ作曲家は「これまでに、トゥエットさんのほどの面白い朗読の声を持つ人はいない」と語り、次のように明らかにしました。
(テープ)
「彼女が朗読する声は明るく、表情豊かな声を持っています。これまでに、トゥエットさんのように情感たっぷりに音を作り、多くの人々の心に浸透した詩の朗読人はいないでしょう。トゥエットさんは私が敬服すべき芸術家の一人です。当時、多くの駐屯地の兵士はベトナムの声放送局の詩の朗読番組を通して、トゥエットさんについてよく知っていました。彼女が詩を朗読する声は戦場への参戦中の部隊兵士の精神的活力作りに寄与していたのです。」
一方、ジャーナリストのファン・ゴック・クアンさんは幼いころから、トゥエットさんの詩の朗読声が好きになりました。クアンさんの話です。
(テープ)
「幼いころ、私の家にはラジオが1台あったので、毎晩、VOVの詩の朗読番組を聞いていました。当時、トゥエットさんは革命の詩ばかりを詠んでいました。勿論、トゥエットさん以外に幾人かの人も登場しました。しかし、トゥエットさんだけは、声がとても特別で清らかでありながらも温かみがあり、深夜放送にピッタリでした。」
特別な声を持つことからトゥエットさんは、数十年前のことですが、大晦日の夜になるとホーチミン主席が執筆した詩の朗読を担当していました。ベトナムの詩が好きになる人々は、まだトゥエットさんの顔を見たことはないけれども、彼女に敬服で親切な感情を与えています。