11月初旬に行われた女子科学研究者を対象とするコヴァレフスカヤ賞の授与式で医療設備研究院元副院長のカオ・ティ・バン・ディエムさんによる「手術用の接着剤の生産研究」と「手術用接着剤の研究・安全性の評価」をテーマとした研究案が受賞しました。
ディエムさんは1979年、工科大学・化学科を卒業後、文化省に就職した際、フィルムと写真印刷用紙の研究を始めました。1年後、彼女はX線映像の研究を託されました。そして1983年、ディエムさんは保健省・医療設備研究院に転職しました。20年あまりにわたり、彼女は医療設備の研究に尽力してきました。ディエムさんは次のように語っています。
(テープ)
「初の研究テーマは手術用の縫い糸の製造に関するものでした。この研究は応用性が高く、3年後の1986年、生産に着手され、1986年から2006年までの20年間、この製品は各病院や医療施設に使用されてきました。」
ディエムさんは手術用縫い糸の研究に際し、最も困難なのは材料探しでした。彼女は数年にわたり、朝早から、自転車で各市場を10キロも走り回り、豚や牛などの腸を研究材料として買って帰りました。デェイムさんは研究に取り組み、創意工夫を凝らした結果、期待通りの成功を収めました。
彼女が行った手術用の縫い糸や手術用接着剤などに関する研究案計15点はいずれも応用効果が高いです。ディエムさんは手術用接着剤の研究について次のように話しました。
(テープ)
「私はベトナムの専門家と科学者の協力を得て、手術用接着剤の研究に踏み切りました。研究が成功した後、この接着剤をネズミ、ウサギ、犬などの実験動物に使いました。2008年から2010年にかけて、ベトドク病院やタインニャン病院などでこの接着剤が利用されました。」
ディエムさんの名前は医療分野に関する科学研究テーマと結び付いているといえます。これらの製品は実際に効を奏して、特に美容整形分野によく利用されています。また、これらはただ科学的価値を持つだけでなく、高価な輸入品を代替できるような高品質の国産品となっています。
現在、ディエムさんは定年退職しましたが、心電図の検査機器やリハビリ設備などに関する研究を続けています。長年にわたり、ディエムさんと一緒に働いていた医療設備研究院のグエン・チョン・クイン院長は次のように語りました。
(テープ)
「学生時代から、彼女は科学研究に従事しました。そういうと科学研究は彼女の得意です。定年退職してからも彼女は国家規模の研究に参加しています。彼女はほかの女性科学者に先駆けて、医療設備に関する研究を行った人物です。」
ディエムさんが科学研究に収めた成功は同じ分野に携わるご主人の支援によるところもあります。彼女は「家庭の幸福は仕事に基盤をつくり、原動力にもなる」と考えています。