ハノイ郊外タンオアイ県カオ・ビェン村に住む農家レ・ドク・ザップさんは、長年の経験のお陰で、5種類から7種類の果物がなる木を開発するようになりました。
ベトナム人は、テトの期間中に、祭壇に置くお供え物は5種類の果物が縁起がよいとされています。その他、実がいっぱいなっている金柑の木やザボンの木、ミカンの木なども人気があります。特に、一本の木に5種類の果物がなって、一斉に熟するのは珍しいものとして大人気なったようです。
テトを前にして、ザップさんの果樹園には一斉に真っ黄色に完熟したザボン、オレンジ、金柑、ブッシュカン(仏手柑)、レモンなどの実をつけた一本の木になる百本あまりの木がありました。ザップさんは、これらは10年間の果物栽培経験の結果だと明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「実がいっぱいなるために、数年かけて、接木方法を研究してきました。そして、一本の木に5種類の果物を接木をすることにしました。テトの期間中に、家の中にこの木を飾るのが人気になってきたからです。」
一本の木にある5種類の果物を一斉に完熟させる為に、ザップさんは旧暦1月から、元の木の面倒を見始めます。4月までに、ザボンの茎を元木に接木します。5月下旬から6月上旬にかけてオレンジとミカンの茎を元木に接木します。そして、8月に、金柑とブッシュカンの茎を接木します。何度も失敗をくり返し、2009年に、ザップさんは5種類の果物がなる一本の木の栽培に成功しました。これらの木は独特なため、周辺の人々だけでなく、遠くの人々にも好まれています。買い手の一人であるグェン・スアン・フォンさんは北部山岳地帯ラオカイ省に住んでいますが「昨年、ザップさんの木を買い、家に飾った。テトの挨拶に訪れた客がその木の美しさに驚いた。そこで、今年のテトには、親戚にあげるため、10本の木を買った」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ザップさんの果樹園を訪れると、一斉に完熟している5種類の実がなっている一本の木に驚きました。ベトナム農家の手先は本当に器用でしょう。今年、我が家では、従来の桃の木、金柑の木の他、この5種類の果物がなる一本の木をも飾ります。これは、独特であるだけでなく、幸運をもたらしてくれるからです。」
ザップさんによりますと、この独特な接木の秘訣は難しくないようです。接木用の茎と果物の選定や、元の木での果物の飾り方などが重要だそうです。
ザップさんは次のように語りました。
(テープ)
「現在、現地行政は新農村作り運動を推進しています。そこで、私は美しく、経済的価値のある果樹園を期待しています。ですから、全ての農家に果物の栽培技術を教える用意があります。果物の栽培による収入はコメ作りの5~6倍ぐらいだからです。」
その他、ザップさんは現地住民の土地5千平方メートルを借りて、オレンジとレモンを栽培しています。現地で、ザップさんの家庭は群を抜いて転作をしています。
タンオアイ県カオ・ビェン村党委員会のグエン・ダン・フォン委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「一本の木に各種の柑橘類を接木するザップさんの構想は面白くて効果のあるやり方です。これは、現地農家にとって新たな方法でもあります。行政当局はこのやり方を応援しています。」
2012年に、ザップさんは自分自身の為に富を作れることと現地住民を助けたことにより、「首都の優秀な首都圏民」という称号を授与しました。器用さと創意工夫に優れたザップさんはベトナムのテトの雰囲気の美化に寄与してゆくことでしょう。