先頃、中部ハーティン省で開催された「2013年のベトナムの海と島週間」の枠内で、第6回ベトナム海洋経済フォーラムが行われました。フォーラムでは「ベトナムが海洋経済の発展で豊かな国となり、海洋経済を持続的に発展させる」という目標をいかに実現させるかが重要な課題として討議されました。
ベトナムは3260キロを超える海岸線や100万平方キロメートル以上の排他的経済水域、そして3千あまりの大小の島嶼に恵まれ、その中にホアンサとチュオンサ両群島があります。また、ベトナムの海岸線は東、南、西南の3方向を向いていることから国際交易面で利点となっています。
これまで、ベトナム政府は海と島の領有権を保護する決意を固めるとともに、海洋経済の持続的な発展に力を入れています。
「2013年のベトナムの海と島週間」への参加を機に、ブ・バン・ニン副首相は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの海洋は豊富な資源に恵まれています。これまで、海から得た資源は経済社会発展に重要な貢献をしてきました。GDP=国内総生産への海洋経済と沿海地域の貢献度はおよそ48%に達しており、その中で、海洋経済は22%を占めています。石油ガス、航海、水産物、海洋観光などの重要な海洋経済部門は高い成長率を見せています。また、海洋資源が効果的に開発され、国の建設と国民の生活水準の改善に寄与しています。」
海洋経済の重要性をよく認識して、第10期ベトナム共産党中央委員会第4回総会は「2020年までのベトナム海洋発展戦略」に関する決議を打ち出し、その 中でベトナムが海の開発で豊かになり、経済社会発展を国防・安全保障の確保、環境保全と連携させ進め、海洋経済の発展にあらゆる財源を活用し、沿海地域の 経済中心地を建設し、2020年をめどに海洋経済のGDPへの貢献度は53%~55%、輸出総額の55%~60%に当り、社会問題の解決や沿海地域の住民 の生活改善に貢献する」という目標を設定しました。
こうした目標を実施するため、ベトナムは地域諸国並の国際基準の港湾建設や大手経済グループの設立を行う 方針です。また、石油・ガスの探査、開発、精製、海運の発展、船舶の建造と改修、航海サービスの発展、海洋と島嶼経済及び観光の発展を優先的に促進する計 画があります。
さらに、海洋発展戦略の目標を達成するため、ベトナムは気候変動や海水上昇などへの対応にも励んでいます。
資源環境省のグエン・ミン・クァン大臣は「これは差し迫った問題であり、各省庁、各レベルの取り組みと協力を求めている」と強調し、次のように語りました。(テープ)
「持続的な発展の動きに応え、我々は経済社会発展と環境保護を調和させなければなりません。国家は海と島の持続的な発展の管理という目標に向け、適切な行動を取っています。これを達成するため、資源管理に関する政策、法律の充実を継続させると同時に、海と島の環境保護に取り組まなければなりません。また、中央から地方までの関係機関を補強し、この事業に従事する人材の育成を進め、底力を発揮する一方、各国の援助を活用する必要があります。」
さきごろ、グエン・タン・ズン首相は2013年から2015年期に5つの沿海経済地区への投資を国家予算に計上することを決定しました。
これらは中部クァンガイ省のズンクァット経済地区、北部港湾都市ハイフォンのディンブ経済地区、南部フーコク島経済地区とナムアントイ経済地区です。これら5つの経済地区の発展は海洋経済の迅速な発展の原動力に弾みをつけるとしています。