ホーチミン市に足を運ぶ観光客は近代的な建築様式を持つ建物の他、東洋の建築様式を持つ多くの寺院を見かけることができます。古くに建立されたこれらの寺院は国内外の多くの参拝者の目的地となっています。
現場の音
ザクラム寺
ホーチミン市タンビン地区に位置するザクラム寺はホーチミン市で最古といわれている東洋風建設様式の仏教寺院です。この寺の本堂の三棟が「三」の字型に連なって構成されています。この寺はリ・トゥイ・ロン( Ly Thuy Long) という居士により建立され、ザクラム( Giac Lam/覚林)という名が付いています。ザクラム寺のティック・チ・ドゥク( Thich Tri Duc) 大徳さんは次のように語りました。
(テープ)
「ザクラム寺が1744年に建設されており、今日まで存在しています。昔、この寺は森林の中に置かれていたので、ザクラム(覚林)という名前が付けられたのです」
本堂の手前には六角七層塔と菩提樹の木陰に置かれた観音菩薩像があります。ザクラム寺には113の像があり、その大部分は木造製です。そのため、この寺はミニ博物館に例えられるのです。1988年、ザクラム寺はベトナムの国家歴史文化遺跡として認定されました。
フックハーイ寺
一方、ホーチミン市の中心には他の有名な寺院があります。これはゴックホアン(Ngoc Hoang)殿(玉皇殿)で、フックハーイ(Phuoc Hai)寺(福海寺)とも呼ばれ、ホーチミン市3区にあります。この寺は1892年に華僑により建てられ、道教の最高神とされる玉皇大帝を祀る寺ですが、仏教の要素も多く混じっています。玉皇大帝以外の像も多く祀られています。2階には観音菩薩が鎮座しています。境内には木が生い茂り、亀や鯉が泳ぐ静かな池もあります。ホーチミン市に住む写真愛好者の一人であるグェン・バ・ダン( Nguyen Ba Dang) さんは次のように語りました。
(テープ)
「写真を撮るためよくここに来ます。寺の境内は広くはないですが美しい風景なので、他の寺では見られない独特な建築様式があります。特に、ここは朝来ると、多くの見事な写真がたくさん撮れます」
ビンギエム寺
ホーチミン市の寺院について言えば、第3区にあるビンギエム(Vinh Nghiem)寺(永厳寺)を抜きにして語ることはできません。このお寺には高さ40メートルの七重の塔がそびえ立ち、遠い所からでも見えます。境内には本堂のほかに、高さ40メートルの七重の塔、舎利塔、鐘楼があります。人々はここで仏陀、釈迦如来、普賢菩薩、文殊菩薩などに祈りを捧げています。ビンギエム寺では毎年、仏教の多くの重要な活動が行われています。
ホーチミン市での寺院は仏を祀る場所だけでなく、国内外の観光客が訪れる人気スポットでもあります。これらのお寺を見学することで、ベトナムの宗教の歴史をある程度理解できることでしょう。