ユネスコ国連教育科学文化機関により、世界文化遺産として認定されてから1年後の今月16日、中部タインホア省は同省にあるホー王朝時代の城跡の世界文化遺産の認定書を受け取る式典を行います。故都フェ、タンロン王城に続いて、ホー王朝時代の城はユネスコにより世界文化遺産として認定されたベトナムの3番目のものとなります。
現在のホー王朝時代の城跡は首都ハノイから国道1号を約150km南下したタインホア( Thanh Hoa) 省のビンロク( Vinh Loc)県に位置してます。
ホー王朝時代の城跡はベトナムにおける唯一無二の石造建築物です。1397年、北からの外国侵略者の侵略を備えるため、ホー・クイ・リ(Ho Qui Ly、胡季犂)王がこの城を建設しました。
この城は東西約877m、南北880mのほぼ正方形で、東西南北の城壁の中央に城門があります。現在残されている門は高さ約8mの正門のみです。城壁は石灰岩の切石を積んで造られ、その石材の高さの平均は1,5メートルですが長さ6mのものもあり、重さは約24トンです。ホー王朝時代の城跡の研究者の一人であるファム・バン・チャイ( Pham Van Chay)さんは次のように語っています。
(テープ)
「この城を建設する時、昔の人々は生まれること、老いること、病むこと、そして死ぬこと、すなわち「生老病死」という仏教思想を基礎に4層の石を築きました。また、城建設現場に石材を運ぶために、現場から約2百メートル離れた所に石を集結させる8つの場所を設置しました。彼らは象を使って、石材を運びました。」
ファム・バン・チャイさんはこのように語りました。
ホー王朝の城の特徴は近くの山岳地帯から切り出された石板によって建てられたと言えます。東西南北にあるアーチ状の門は美しいです。周囲は北側には山が、南側と西側は川に囲まれています。史書によりますと、城の内部には多くの宮殿も建てられ、その立派さはタンロン王城と比較することができます。タインホア省人民委員会のブォン・バン・ベト( Vuong Van Viet) 副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「ホー王朝の城跡の最大の価値は600年前に建てた古い都だということです。第2はこの遺跡は中国文化と仏教、儒教の影響を受けているということです。また第3の価値はこの城は特殊な方法で建てられたということです。」
また、このように語ったベト副委員長によりますと、今後、タインホア省はこの遺跡の保存とその価値の発揮のため、様々な対策を取ります。当面、同省はベトナムの文化遺産法と世界遺産に関する国際条約に則って、この遺産の保存と修復に力を入れます。
20世紀初頭、フランス人のインドシナ文化研究者であるL Bezacierさんは、ホー王朝時代について、「この城は接着剤を使わずに積み上げられた大規模な石灰石積みの建築物の代表的なものである。この城は永遠にベトナムの最も見事な建築物である」と讃えました。