ベトナムには文廟が3ヶ所ありますが、北部バクニン省はその中の一つです。文廟とは孔子を祀る場所であると共に、封建時代の官僚登用試験、いわゆる、科挙の合格者の名前が刻まれている場所でもあります。昔から、バクニン省の文廟は地元の人々の誇りであり、向学心が高いこの地方の伝統のシンボルとされています。
ハノイの北東およそ30キロ離れた所にあるバクニン省の中心地に位置する文廟はベトナムにおける3ヶ所の文廟の一つで、歴史的文化的価値があります。バクニン省遺跡管理委員会のグェン・ズイ・ニャト( Nguyen Duy Nhat)委員長によりますと、その昔、バクニン省の文廟はティカウ村にあるチャウソン山に建てられましたが、1893年に、その文廟が壊れた為、現在のバクニン省のバクニン市に移されました。それより前の1889年、ド・チョン・ビという高官は科挙試験に合格したバクニン省の677人の名前が刻まれた石碑を作りました。ニャト( Nguyen Duy Nhat)委員長は次のように語りました。
(テープ)
「1928年、バクニン省の文廟は再度修復されました。今回、新しい石碑が作られました。この石碑も、バクニン省の文廟は孔子と封建時代の科挙試験に合格したバクニン省出身の人々が祀られています。
バクニン省の文廟の最も大きな価値はここにある15基の石碑です。その中の12は1889年に作られ、封建時代の科挙試験に合格したバクニン省出身の700人の名前が刻まれています。先ほどのバクニン省遺跡管理委員会のグェン・ズイ・ニャト( Nguyen Duy Nhat)委員長は次のように語りました。
(テープ)
「バクニン省の文廟はバクニン省の人々の向学心が高い伝統を表すための代表的な遺跡です。封建時代に、バクニン省は科挙試験の合格者を最も多く輩出する3地方の一つでした」
首都ハノイと中部古都フェにある文廟と共に、バクニン省の文廟は地元の向学心が高い伝統を教育、宣伝する場所となってきました。バクニン省の優秀な生徒、学生は常にこの遺跡を訪れ、自らの学習の成績を先人たちに報告しています。バクニン省遺跡管理委員会のホァン・フイ・ロイ( Hoang Huy Loi) 委員は次のように語りました。
(テープ)
「バクニン省の生徒、学生達は毎年、学年度の始まりと試験の前にこの文廟を訪れ、線香を手向けました。彼らは先人の向学心の高い伝統を生かして、学習に励んでいます」
現在、バクニン省の文廟はこの省を訪れる観光客にとって、見逃すことができない見所の一つとなっています。