南部チャビン省チャウタン県にあるハン寺は仏教徒の構造で美しいお寺として広く知られています。それだけでなく、お寺の中にある彫刻工房は数多くのクメール族の青年たちに木彫りの職業を教えてきました。
ハン寺のタック・スオン和上によりますと、10年前に、ビンロン省に行った際に、老木の根に彫られた木彫り作品が印象的でした。それをきっかけに、ビンロン省の彫刻職人から彫刻を教わり、ハン寺に彫刻工房を設立する事にしました。
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「彫刻の仕事は木の根の価値を高めると思います。彫刻のお陰で、もう要らないものでも価値のある作品になり、お寺の中に並べられるからです。その一方で、僧侶たちは、彫刻の職を身に付けることもできます。」
2005年、タック・スオン和上は、ベテラン職人である僧侶10人からなるハン寺彫刻クラブを発足させました。このクラブは現地のクメール族の青年に職を教えると共に、彫刻製品をピーアールすることが目的とされています。半年にわたって、木
彫りを勉強しているソン・チュムさんは次のように語っています。
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「以前に、偶然、お寺の彫刻工房の綺麗な作品を新聞で見ました。木の根に彫られた彫刻作品は私を魅了させました。それをきっかけに、この工房で彫刻の職業を勉強することにしたんです。」
木彫りの水牛
注目すべきとは、ハン寺の彫刻クラブは職業をタダで教えるということです。商品の値段の一部は寺の改修基金に寄付され、残りは職人と材料の購入に充てられます。これまでに、この『職業訓練学校』は数千人の僧侶と青年たちに職業を教えてきました。それらの中には、家で、彫刻工房を開き、安定した生活を送っている人もいます。最初のコースに参加したというタック・ソ・フェップさんは次のように語りました。
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「彫刻職業は私の能力に相応しいものです。もし、手先が器用な人なら、独学で美しい作品を作れば、売り値が高くなります。そうすれば、収入も増えるんですよ。」
現在、チャビン省では、クメール族のお寺140箇所のうち、8つの寺がハン寺のように彫刻工房を設立しており、およそ百人の労働者を集めています。チャビン省労働傷病軍人社会事業局のズオン・クアン・ゴック副局長は次のように明らかにしています。
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「今後も、私たちは、チャビン省の民族担当委員会、僧侶団結協会と連携して、このモデルの拡大を研究します。彫刻だけでなく、幾つかの職業訓練も行なう予定です。」
彫刻クラブは、クメール族の青年の生計を立てるだけでなく、クメール族文化の保存と活用に寄与することでしょう。